サイクル

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'''サイクル'''(''Cycle'')は、
 
'''サイクル'''(''Cycle'')は、
#[[ブロック (総称)|エキスパンション・ブロック]]の過去の呼称。[[#ブロック]]を参照。
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#1つのコンセプトに基づいて作られた[[カード]]群のこと。本項で解説する。
#1つのコンセプトに基づいて作られた[[カード]]群のこと。[[#カード群]]を参照。
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#[[ブロック (総称)|エキスパンション・ブロック]]の過去の呼称。[[ブロック (総称)]]を参照。
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#[[2018年]]-[[2019年]]シーズン以降の[[プロプレイヤーズ・クラブ]]のポイント集計及び特典獲得の期間の単位のこと。
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#[[サイクリング]]の動詞形。日本語版では「サイクリングする」と書かれているが、英語では「cycle」となっている。
  
現在では「サイクル」といった場合、もっぱら後者を指す。
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現在では「サイクル」といった場合、もっぱら1を指す。
==ブロック==
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'''サイクル'''(''Cycle'')は、[[ブロック (総称)|エキスパンション・ブロック]]の過去の呼称である。
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かつては「ラース・サイクル([[テンペスト・ブロック]])」や「マスカレイド・サイクル([[マスクス・ブロック]])」などのように、[[ブロック (総称)|ブロック]]ごとにそのストーリーやイメージにちなんだ名称が与えられていた。
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==カード群==
 
==カード群==
'''サイクル'''(''Cycle'')は、1つのコンセプトに基づいて作られた[[カード]]群のことである。用語としては比較的近年になって定義されたものだが、その概念は[[Limited Edition]]の頃から存在していた。
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{{#card:Healing Salve}}
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{{#card:Ancestral Recall}}
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{{#card:Dark Ritual}}
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{{#card:Lightning Bolt}}
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{{#card:Giant Growth}}
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'''サイクル'''(''Cycle'')は、1つのコンセプトに基づいて作られた[[カード]]群のことである。用語としては比較的近年になって定義されたものだが、その概念は[[リミテッド・エディション]]の頃から存在していた([[Mox]]、[[ブーンズ]]など)。
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サイクルをなすカードの多くは同じ[[カード・セット]]に収録されており、その[[色]]や[[カード名]]、[[能力]]や[[フレイバー・テキスト]]などに関連性や対称性を持つ。最も多い組み合わせは同じ[[稀少度|レアリティ]]に各色1枚ずつ作られる5枚サイクルだが、他にも2色の[[色の組み合わせ]]ごとに1枚ずつの10枚サイクル、1つの色の中の各レアリティにつくられる3枚(4枚)サイクル([[上位種]]、'''垂直サイクル''')や、ストーリー上の各勢力にそれぞれ作られるもの、対になっている2枚だけのサイクルもある。
  
サイクルをなすカードは基本的に同じ[[エキスパンション]]に収録されていて、その[[]][[カード名]][[能力]]や[[フレイバー・テキスト]]などに関連性や対称性を持つ。最も多い組み合わせは同じ[[稀少度|レアリティ]]に各色1枚ずつ作られるものだが、他にもある1つの色の中の各レアリティにつくられるもの([[上位種]]、'''垂直サイクル''')や、ストーリー上の各勢力にそれぞれ作られるもの、対になっている2枚だけのサイクルもある。
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そのほか、複数のエキスパンションに渡る「'''メガサイクル'''/''Mega Cycle''」([[エイトグ/Atog|エイトグサイクル]]など)、さらに複数ブロックに1枚ずつ存在する「'''メガ・メガサイクル'''/''Mega-Mega Cycle''」([[テフェリーの島/Teferi's Isle]][[ケルドの死滅都市/Keldon Necropolis]]など)も存在する。1色だけ欠けているサイクル([[終末/Terminus|アヴァシンの帰還のレアの奇跡呪文のサイクル]]など)も存在する。
  
そのうち、複数エキスパンションに渡るサイクル([[エイトグ|エイトグサイクル]]など)を[[ウィザーズ・オブ・ザ・コースト|WotC]]は「'''メガサイクル'''/''Mega Cycle''」と呼び、さらに、複数ブロックに1枚ずつ存在するサイクル([[テフェリーの島/Teferi's Isle]][[ケルドの死滅都市/Keldon Necropolis]]など)は、「'''メガ・メガサイクル'''/''Mega-Mega Cycle''」と呼んでいる。
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具体的なサイクルのそれぞれについては[[サイクル一覧]]を参照のこと。コンセプトが同一なだけで、[[カードパワー]]は大きなばらつきがあることも多い。極端過ぎる例なら[[Ancestral Recall]][[治癒の軟膏/Healing Salve]]など。
  
コンセプトが同一なだけで、カードパワーは天と地ほどの差があることが常である。極端過ぎる例なら[[Ancestral Recall]][[治癒の軟膏/Healing Salve]]など。数値を参照するサイクルでは、たいてい[[]][[ライフ]][[回復]]に回って弱く、[[クリーチャー]][[オーラ]]のサイクルだと、[[]][[トランプル]]関係になって弱いことが多いとされることもある。
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*カード名やコンセプトの似たカードが同じカード・セットやブロックに複数存在していても、必ずしも意図的にサイクルとして作られているとは限らない。
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**[[ミラディンの傷跡ブロック]]で登場した[[白の太陽の頂点/White Sun's Zenith]]は他の4色と合わせて[[頂点]]サイクルを構成するが、[[白の太陽の通過/Whitesun's Passage]]に対応する他色のカードは存在しない。
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**[[ラヴニカへの回帰ブロック]]では10の[[ギルド/Guild]]のうち9つに[[X]][[呪文]]が存在するが、[[セレズニア議事会/The Selesnya Conclave]]のX呪文は登場しなかった。これがサイクルであることに[[開発部]]も気づいていなかったためである<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/absence-2013-05-13 Absence]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0004229/ 存在しないということ]([[Making Magic]] [[2013年]]5月13日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。また[[単色]]のX呪文も、白だけ存在しない。この指摘を受けてか、後の[[ラヴニカのギルド]]では白緑のX呪文として[[大集団の行進/March of the Multitudes]]が登場している。
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**[[ミラディン]]で登場した[[王者の塔/Tower of Champions|塔]]サイクルの4枚は、特定の色に関係付ける意図で作られたものではなかったが、4つの色をイメージした[[能力]]と認識されたため、[[ミラディンの傷跡]]では残る[[赤]]に該当する[[災難の塔/Tower of Calamities]]が登場した。
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*1枚または数枚のカードから、後付けでサイクルが作られることもある。
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**前述のエイトグのメガサイクルは、[[森エイトグ/Foratog]]にあたるクリーチャーのデザイン時に、それが[[エイトグ/Atog]]のバリエーションであることに気づいて制作されたものである。
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**往年の有力カードの[[リメイク]]が作られ、それをきっかけとしてメガサイクルが制作されることもある([[新緑の魔力/Verdant Force]]、[[変異種/Morphling]]など)。
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**[[未来予知]]の[[雨雲の迷路/Nimbus Maze|2色土地サイクル]]では、このうち[[偶像の石塚/Graven Cairns]]が取り上げられて[[ハイブリッドランド]]サイクルとなった。ただし、このサイクルは「未来の[[カード・セット]]から1枚ずつ採録した」という体裁を取っているため、少し勝手が違う。
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*サイクルは同じコンセプトを共有するカードであるため、[[開封比]]が高いと[[ブースターパック]]がどれも代り映えのしない印象になってしまう。特に[[ブースター・ドラフト]]で問題化しやすく、[[エキスパンション|小型セット]]に収録された[[カードパワー]]の低い[[コモン]]のサイクルで顕著。[[ピック]]されずに卓を回り続けるため延々と似たようなカードを見ることになってしまう。
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**コモンの5枚サイクルが7組あった[[イーブンタイド]]や、[[ドラゴンの迷路]]の[[導き石]]、[[運命再編]]の[[アブザンの呪印/Abzan Runemark|呪印サイクル]]などが名指しで反省されている<ref>[https://mtg-jp.com/reading/translated/ld/0016151/ 小型セット2つのドラフト]([[Daily MTG]] [[2015年]]12月4日 [[Sam Stoddard]]著)</ref>。
  
具体的なサイクルのそれぞれについては[[サイクル一覧]]を参照のこと。
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==脚注==
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<references/>
  
== 参考 ==
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==参考==
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/zen-and-art-cycle-maintenance-2002-07-08 Zen and the Art of Cycle Maintenance](Making Magic [[2002年]]7月8日 [[Mark Rosewater]]著)
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/sets-five-2002-12-25-0 Sets of Five](Feature 2002年12月25日 [[Ben Bleiweiss]]著)
 +
*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/mega-mega-cycle-2005-10-19 Mega-Mega-Cycle](Arcana [[2005年]]10月19日 [[WotC]]著)
 
*[[サイクル一覧]]
 
*[[サイクル一覧]]
*[http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/daily/mr28 Zen and the Art of Cycle Maintenance]([[Magicthegathering.com]]、by [[Mark Rosewater]])
 
*[http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/daily/bb52 Sets of Five]([[Magicthegathering.com]]、by [[Ben Bleiweiss]])
 
*[http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/arcana/41 Mega-Mega-Cycle]([[ウィザーズ・オブ・ザ・コースト|WotC]]、英文)
 
 
*[[用語集]]
 
*[[用語集]]

2022年9月25日 (日) 02:44時点における版

サイクル(Cycle)は、

  1. 1つのコンセプトに基づいて作られたカード群のこと。本項で解説する。
  2. エキスパンション・ブロックの過去の呼称。ブロック (総称)を参照。
  3. 2018年-2019年シーズン以降のプロプレイヤーズ・クラブのポイント集計及び特典獲得の期間の単位のこと。
  4. サイクリングの動詞形。日本語版では「サイクリングする」と書かれているが、英語では「cycle」となっている。

現在では「サイクル」といった場合、もっぱら1を指す。

カード群


Healing Salve / 治癒の軟膏 (白)
インスタント

以下から1つを選ぶ。
・プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは、3点のライフを得る。
・クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。このターン、それに与えられる次のダメージを3点軽減する。



Ancestral Recall (青)
インスタント

プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを3枚引く。



Dark Ritual / 暗黒の儀式 (黒)
インスタント

(黒)(黒)(黒)を加える。



Lightning Bolt / 稲妻 (赤)
インスタント

クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。稲妻はそれに3点のダメージを与える。



Giant Growth / 巨大化 (緑)
インスタント

クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+3/+3の修整を受ける。


サイクル(Cycle)は、1つのコンセプトに基づいて作られたカード群のことである。用語としては比較的近年になって定義されたものだが、その概念はリミテッド・エディションの頃から存在していた(Moxブーンズなど)。

サイクルをなすカードの多くは同じカード・セットに収録されており、そのカード名能力フレイバー・テキストなどに関連性や対称性を持つ。最も多い組み合わせは同じレアリティに各色1枚ずつ作られる5枚サイクルだが、他にも2色の色の組み合わせごとに1枚ずつの10枚サイクル、1つの色の中の各レアリティにつくられる3枚(4枚)サイクル(上位種垂直サイクル)や、ストーリー上の各勢力にそれぞれ作られるもの、対になっている2枚だけのサイクルもある。

そのほか、複数のエキスパンションに渡る「メガサイクル/Mega Cycle」(エイトグサイクルなど)、さらに複数ブロックに1枚ずつ存在する「メガ・メガサイクル/Mega-Mega Cycle」(テフェリーの島/Teferi's Isleケルドの死滅都市/Keldon Necropolisなど)も存在する。1色だけ欠けているサイクル(アヴァシンの帰還のレアの奇跡呪文のサイクルなど)も存在する。

具体的なサイクルのそれぞれについてはサイクル一覧を参照のこと。コンセプトが同一なだけで、カードパワーは大きなばらつきがあることも多い。極端過ぎる例ならAncestral Recall治癒の軟膏/Healing Salveなど。

脚注

  1. Absence/存在しないということMaking Magic 2013年5月13日 Mark Rosewater著)
  2. 小型セット2つのドラフト(Daily MTG 2015年12月4日 Sam Stoddard著)

参考

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