エルドレイン/Eldraine

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(キャラクター: アルケミー:エルドレインでカード化された組とイェナを追加。訳語はMagic Story準拠)
 
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'''エルドレイン'''/''Eldraine''は、[[多元宇宙/Multiverse]]に存在する[[次元/Plane]]の一つ。[[エルドレインの王権]]の舞台となった。
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'''エルドレイン'''/''Eldraine''は、[[多元宇宙/Multiverse]]に存在する[[次元/Plane]]の一つ。[[エルドレインの王権]]、[[エルドレインの森]]の舞台となった。
  
==地理==
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==世界観==
===王国/The Realm===
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騎士道とおとぎ話の[[次元/Plane]]。[[人間/Human#エルドレイン|人間/Human]]が住まう秩序の領域、[[#王国/The Realm|'''王国'''/''The Realm'']]と、危険な野生と魔の領域、[[僻境/The Wilds|'''僻境'''/''The Wilds'']]、そしてその両者の間に広がる[[#境界地/The Boundary Lands|'''境界地'''/''The Boundary Lands'']]から成る。
[[人間]]が住まう秩序の領域。五つの'''宮廷'''/''Court''から成る。
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==王国/The Realm==
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[[多元宇宙/Multiverse]]には多くの美しい眺めや、絵画のような田舎の風景が存在するが、エルドレインの王国ほど静穏な場所は滅多にない。王国での生活の日々のほとんどは簡素で落ち着いており、ここを故郷と呼ぶ者たち――ほとんどが人間――は、そのような生き方を好んでいる。
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しかしながら、王国は単に寛げる保養地というだけではない。美徳ある者なら誰でも、自らの価値を証明して栄光の座に至ることのできる大舞台でもあるのだ。王国での偉業は富、尊敬、地位という形で報われる。不可思議な旅人を怪しむ住人もいるかもしれないが、別の世界からの訪問者でさえ、望むなら高貴なる地位に就くこともできる。
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王国の大部分は小さな集落と農地だが、この地を統べるのは五つの宮廷――すなわち、[[#アーデンベイル/Ardenvale|'''アーデンベイル'''/''Ardenvale'']]、[[#ヴァントレス/Vantress|'''ヴァントレス'''/''Vantress'']]、[[#ロークスワイン/Locthwain|'''ロークスワイン'''/''Locthwain'']]、[[#エンバレス/Embereth|'''エンバレス'''/''Embereth'']]、[[#ギャレンブリグ/Garenbrig|'''ギャレンブリグ'''/''Garenbrig'']]だ。これらの宮廷は領域の民を支え、守り、民の基本的な[[#美徳|美徳]]を維持している。五つの宮廷はほとんど独立した州のようなものだが、[[#崇高の玉座/The High Throne|崇高の玉座/The High Throne]]の統治の下で一つの王国としてまとまっている。宮廷は、競技の場では激しい対抗心を抱くかもしれないが、他の宮廷と大っぴらに対立することは滅多になく、公然と戦争をしたことは一度もない。
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[[新ファイレクシア/New Phyrexia]]の侵攻により、王国は壊滅的な打撃を受けた。
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===歴史===
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人間の隆盛以前には、[[エルフ/Elf#エルドレイン|エルフ]]が後の王国となる地を統べていた。人間曰く、彼らは高慢で尊大、虚栄心が強く残忍で、あらゆる不道徳な魔法を野放図に使用していた。自分の身を守れないほど弱い者は膝をついて庇護を求めるべき、それが彼らの言い分だった。また伝説によれば、古の時代、森には果てがなく、その自然の木々は見渡すかぎりに広がっていた。八世代か九世代前、人間が力をつけ、エルフを追放して王国を築き上げた。森そのものがエルフとともに後退し、何世紀も前から知られているエルドレインの姿、すなわち王国と僻境という分断を生み出した。
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===遺物===
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宮廷の中枢を成す五つの遺物は、古の時代のエルフの宝であり、いくつかはエルフの魔法によって作られた可能性さえある。遺物は驚異的で神秘的な物体であり、測り知れない魔法の力と、定命の者の理解を超えた知覚を有している。確かなのは、五つの遺物それぞれが五つの美徳のうちの一つの物理的体現であり、個人の内にあるその美徳を判断する力を持っているということだ。王国では、遺物の美徳(およびその審判)は客観的で議論の余地がないものと見なされており、この絶対確実性こそが王国社会全体を構築するものである。
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===美徳===
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王国での生活は、五つの基本的な美徳を中心としている――すなわち、'''忠誠'''/''Loyalty''、'''知識'''/''Knowledge''、'''執念'''/''Persistence''、'''勇気'''/''Courage''、'''強さ'''/''Strength''だ。王国の住人はすべて、[[騎士]]であれ[[貴族]]であれ[[農民]]であれ、日々の暮らしの中でこれらの美徳を維持しようと励む。王国の者が誰かを称賛したり侮辱したりしたい場合には、いずれかの美徳に従って生きられているかいないかを引き合いに出すことが多い。
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五つの美徳は五つの遺物によって確立されており、そのため絶対的な敬意と権威をもって扱われる。王国の住人は、すべての美徳を励むべき理想と見なしているが、必ずしも平等にではない。当然、各宮廷は自らの遺物に関する美徳が最も重要なものであると信じている。とはいえ、その美徳が他のものの代わりになるわけではない。エンバレスの騎士は他のどの美徳よりも勇気を称えるだろうが、忠誠や知識に欠ける者を見下すことには変わりない。
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===騎士===
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王国では、騎士号は個人が受けることのできる最高の栄誉の一つだ。騎士は勇者、英雄、美徳の模範として尊敬される。王国の騎士は皆、「'''卿'''/''Syr''」の敬称を付けて呼ばれる。彼らは無辜の民を守ることから、僻境での大胆な冒険に赴くことまで、多くの責任を負っている。騎士はしばしば精巧に作られた鎧と武器を装備し、様々な種と大きさの立派な乗騎に跨り、時にはそれぞれの宮廷の遺物から引き出される強力な魔法を振るう。
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いずれかの宮廷で騎士号を獲得することは、その宮廷の美徳に卓越していると証明するための探索を行うことを意味する。いくつかの宮廷では、真の騎士になるための最後の工程は、その宮廷の遺物の審判を受けることである。
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===崇高の玉座/The High Throne===
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おおよそ一世代に一度、[[探索する獣/Questing Beast#ストーリー|探索する獣/Questing Beast]]と呼ばれる神秘的な生物が傑出した騎士を選び、'''至高の探索'''/''The High Quest''あるいは'''大探索'''/''The Great Quest''と呼ばれる厳しい試練を課す。王国を統べる'''崇高の玉座'''/''The High Throne''に就くための試練を。崇高の玉座を求める者は、王国最高の地位に値する美徳を備えていることを証明するため、五つの宮廷すべてで騎士号を獲得しなければならない。
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過去五十年で、至高の探索を課されたのは二人――[[アルジェナス・ケンリス/Algenus Kenrith|アルジェナス/Algenus]]と[[リンデン・ケンリス/Linden Kenrith|リンデン/Linden]]だけだ。リンデンは途中、何らかの理由でこれを断念したが、アルジェナスはこれを達成し、'''崇王'''/''High King''の座に就いた。
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*[[エルドレインの王権]]の背景設定記事ではHigh Kingは「'''崇王'''」と訳されていたが、[[エルドレインの森]]以降は「'''覇王'''」と訳されている。
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===宮廷===
 
====アーデンベイル/Ardenvale====
 
====アーデンベイル/Ardenvale====
[[白]]の宮廷。'''忠誠'''/''Loyalty''を美徳とする。紋章は炎の円環。
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[[白]]の宮廷。「忠誠」を最も重要な美徳とする。紋章は円環状の炎。
  
崇王/High King、[[帰還した王、ケンリス/Kenrith, the Returned King|アルジェナス・ケンリス/Algenus Kenrith]]は王国全体の統治者であると同時に、アーデンベイルの統治者でもある。アルジェナス不在の時期は、その妃たる女王[[不動の女王、リンデン/Linden, the Steadfast Queen|リンデン・ケンリス/Linden Kenrith]]がアーデンベイルを統治していた。
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崇王[[アルジェナス・ケンリス/Algenus Kenrith]]は王国全体の統治者であると同時に、アーデンベイルの統治者でもある。その妃たる女王[[リンデン・ケンリス/Linden Kenrith]]もまた、アルジェナスとともにアーデンベイルを統治している。
  
[[アーデンベイル城/Castle Ardenvale]][[忠誠の円環/The Circle of Loyalty]]の魔法に守られている。騎士は白く輝く炎でできたこの円環をくぐり、その忠誠を示さなければならない。値せぬ者は灰と化す。
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[[アーデンベイル城/Castle Ardenvale#ストーリー|アーデンベイル城/Castle Ardenvale]]の中央塔には[[忠誠の円環/The Circle of Loyalty#ストーリー|忠誠の円環/The Circle of Loyalty]]がある。騎士になるためには、銀炎でできたこの円環をくぐらなければならない。真の忠誠を持つ者だけが無傷で通り抜けることができる。
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詳細は[[アーデンベイル/Ardenvale]]を参照。
  
 
====ヴァントレス/Vantress====
 
====ヴァントレス/Vantress====
[[青]]の宮廷。'''知識'''/''Knowledge''を美徳とする。紋章は鍵穴。人間の魔術師、[[老いたる者、ガドウィック/Gadwick, the Wizened|ガドウィック/Gadwick]]が統治している。
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[[青]]の宮廷。「知識」を最も重要な美徳とする。紋章は鍵穴。人間の大魔道士、[[老いたる者、ガドウィック/Gadwick, the Wizened#ストーリー|ガドウィック/Gadwick]]が実質的な統治者となっている。
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'''メア湖'''/''Lochmere''の水上に建てられた[[ヴァントレス城/Castle Vantress#ストーリー|ヴァントレス城/Castle Vantress]]の遥か下方には、[[魔法の鏡/The Magic Mirror#ストーリー|魔法の鏡/The Magic Mirror]]、'''インドレロン'''/''Indrelon''が置かれている。インドレロンから騎士号や何らかの知識を得るためには、対価としてその鏡が知らない秘密を教えなければならない。
  
'''メア湖'''/''Lochmere''の中心に建てられた[[ヴァントレス城/Castle Vantress]]の中には、[[魔法の鏡/The Magic Mirror]]、'''インドレロン'''/''Indrelon''が置かれている。インドレロンはあらゆる質問に真実の答えを授けてくれるが、そのためには対価として誰にも知られていない秘密を明かさなければならない。
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詳細は[[ヴァントレス/Vantress]]を参照。
  
 
====ロークスワイン/Locthwain====
 
====ロークスワイン/Locthwain====
[[黒]]の宮廷。'''執念'''/''Persistence''を美徳とする。紋章はゴブレット。[[エルフ#ストーリー|エルフ]]の女王、[[ロークスワインの元首、アヤーラ/Ayara, First of Locthwain|アヤーラ/Ayara]]が統治している。
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[[黒]]の宮廷。「執念」を最も重要な美徳とする。紋章はゴブレット。エルフの女王、[[アヤーラ/Ayara]]が統治している。
  
生者に[[永遠の若さ/Forever Young|永遠の若さ]]を与え死者をも蘇らせるという秘宝、[[永遠の大釜/The Cauldron of Eternity]]を所有していたが、今は失われている。大釜を失って以来、[[ロークスワイン城/Castle Locthwain]]は宙に浮いたままとなっている。この秘宝を求めて探索に赴き、命を落とす騎士は後を絶たない。
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生者に[[永遠の若さ/Forever Young|永遠の若さ]]を与え死者をも蘇らせるという遺物、[[永遠の大釜/The Cauldron of Eternity#ストーリー|永遠の大釜/The Cauldron of Eternity]]を所有していたが、今は失われている。大釜を失って以来、[[ロークスワイン城/Castle Locthwain#ストーリー|ロークスワイン城/Castle Locthwain]]は宙に浮いたままとなっている。この遺物を求めて探索に赴き、命を落とす騎士は後を絶たない。
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詳細は[[ロークスワイン/Locthwain]]を参照。
  
 
====エンバレス/Embereth====
 
====エンバレス/Embereth====
[[赤]]の宮廷。'''勇気'''/''Courage''を美徳とする。紋章は菱形と三本の槍。評議会が統治しており、[[ドワーフ]]の[[朱地洞の族長、トーブラン/Torbran, Thane of Red Fell|トーブラン/Torbran]]はその一員と思われる。
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[[赤]]の宮廷。「勇気」を最も重要な美徳とする。紋章は菱形と三本の槍。評議会が統治している。
  
名高いその[[試合場/Tournament Grounds]]には、自らの力を示すべく各地から闘士が集まる。宮廷の宝は[[エンバレスの宝剣/Embercleave]]
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真の名を'''燃焦苑'''/''The Burning Yard''という複合競技場、[[エンバレス城/Castle Embereth#ストーリー|エンバレス城/Castle Embereth]]には王国中から闘士が集まる。宮廷の遺物は赤熱する巨石[[エンバレス/Embereth#遺物|アイレンクラッグ/The Irencrag]]で、[[エンバレスの宝剣/Embercleave#ストーリー|エンバレスの宝剣/Embercleave]]はそれが名を授けた剣の一つ。
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詳細は[[エンバレス/Embereth]]を参照。
  
 
====ギャレンブリグ/Garenbrig====
 
====ギャレンブリグ/Garenbrig====
[[緑]]の宮廷。'''強さ'''/''Strength''を美徳とする。紋章は一組の槌。[[巨人#ストーリー|巨人]]の王、[[ギャレンブリグの領主、ヨルヴォ/Yorvo, Lord of Garenbrig|ヨルヴォ/Yorvo]]が統治している。
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[[緑]]の宮廷。「強さ」を最も重要な美徳とする。紋章は槌。[[巨人/Giant#エルドレイン|巨人]]の王、[[ヨルヴォ/Yorvo]]が統治している。
  
ここには人間の隆盛以前の時代に巨人によって築かれた環状列石、[[グレートヘンジ/The Great Henge]]がある。これは巨大な日時計であり、僻境の中心部へと繋がる魔法の門でもある。
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[[ギャレンブリグ城/Castle Garenbrig#ストーリー|ギャレンブリグ城/Castle Garenbrig]]の主要な部分を占めるのは、人間の隆盛以前の時代に巨人によって築かれた環状列石、[[グレートヘンジ/The Great Henge#ストーリー|グレートヘンジ/The Great Henge]]だ。これは巨大な日時計であり、特定の日付の特定の時間には、僻境の深奥へと繋がる魔法の門と化す。
  
===僻境/The Wilds===
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詳細は[[ギャレンブリグ/Garenbrig]]を参照。
危険な野生と魔の領域。距離、方角、時間、季節のすべてが歪み、怪物や呪いで溢れる場所。ある日に川に架かっていた橋が、次の日には消え失せて全く別の場所に現れることもある。
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==歴史==
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===王国のその他の地名===
遠い昔、王国を統べていたのはエルフだった。伝わるところによれば、彼らは高慢で尊大、虚栄心が強く残忍で、あらゆる不道徳な魔法を野放図に使用していた。自分の身を守れないほど弱い者は膝をついて庇護を求めるべき、それが彼らの言い分だった。やがて力をつけた人間が、エルフの王位を転覆させ、五つの宮廷を創り上げた。今では多くのエルフが僻境に逃れているが、一部のエルフはロークスワインに留まり、人間と共存している。
+
王国の辺境には'''オリンシャー'''/''Orrinshire''という村が存在しており、村民の5倍ほどの羊が飼われている。旅の商人が訪れる日が祝日になるほどの辺鄙な土地であり、それゆえ新ファイレクシアの侵略も受けなかった。
  
二世代の空位期間の後、[[探索する獣/Questing Beast]]はアルジェナスとリンデンに探索行を課した。リンデンは途中、何らかの理由でこれを断念したが、アルジェナスは五つの宮廷で騎士の称号を得て'''崇王'''/''High King''の座に就いた。崇王の統治の下、王国には平和と秩序が訪れた。
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==境界地/The Boundary Lands==
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王国の城と魔法に満ちた僻境は突然切り替わるわけではなく、その間に境界地と呼ばれる中間の地域が存在する。そこには絵画のように美しい森や牧草地、岩だらけの断崖絶壁、霧に覆われた湖が広大に広がっている。
  
それから十数年後、突如としてアルジェナスは失踪した。双子の王女と王子、[[ローアン・ケンリス/Rowan Kenrith (ストーリー)|ローアン/Rowan]][[ウィル・ケンリス/Will Kenrith (ストーリー)|ウィル/Will]]は、父王を探す旅に出た。
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境界地にはいくつかの居住地が点在し、[[ヤギ|山羊]]や[[羊]]などを飼育している。起伏のある野原にはこれら家畜が放牧されているが、時折襲ってくる飢えた[[グリフィン]]からそれらを守る必要がある。
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*"The Boundary Lands"という名前は[[エルドレインの王権]]時点では使われておらず、[[機械兵団の進軍]]のストーリー記事で初めて使用された。ただし日本語版では固有名詞ではなく「僻境と王国の境」と訳出されていた。境界地という訳が日本語版で初使用されたのは[[エルドレインの森]]の[[境界地のレインジャー/Boundary Lands Ranger]]である。
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===エッジウォール/Edgewall===
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文明と僻境の境界線に最も近い村、それがエッジウォールだ。肉屋やパン屋に狩人、放浪の騎士や妖精狩りまで様々な[[人間/Human#エルドレイン|人間/Human]]がこの地にはいる。それだけではなく、[[ドワーフ/Dwarf#エルドレイン|ドワーフ/Dwarf]]の商人、人間と[[エルフ/Elf#エルドレイン|エルフ/Elf]]の友人がハグをする様子、そのほか神出鬼没な僻境の生物も目撃することができるだろう。エッジウォールの曲がりくねった通りや小径は密集しており、境界地のより広大な地域のようにあなたを惑わせるかもしれない。
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エッジウォールの建造物の多くは人間によるものだが、明らかに僻境の[[僻境/The Wilds#フェイ属/The fair folk|フェイ属/The fair folk]]により作られたものも散在している。屋根の先端が尖っているものや、ツリーハウスは比較的珍しい。村の最古の建造物のいくつかはドワーフの居住地として作られたと言われている――そのうちの一つの遺跡は地下深くまで続いているとも。
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*エッジウォールの名前については、エルドレインの王権時点では[[エッジウォールの亭主/Edgewall Innkeeper]]のフレイバー・テキストで'''エッジウォール砦'''/''Edgewall Keep''と表記されていた。しかしワールドガイド展示資料ではKeep無しの表記であり、エルドレインの森のストーリー記事およびフレイバー・テキストでも同様のためそちらに従った。
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==僻境/The Wilds==
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奇妙な法則と野生が広がり、'''フェイ属'''/''The fair folk''と呼ばれる魔法生物が跋扈する恐るべき世界。
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詳細は[[僻境/The Wilds]]を参照。
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==その他の地理==
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王国・境界地・僻境のどこに属するかが明言されていないものをこの節にまとめる(ほとんどは境界地~僻境のいずれかと思われる)。ABC順。
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===カーヴェリン/Caervelin===
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カーヴェリンはエルフによって建設され、謎めいたヴァントレスの魔道士により占領・修復された古代の塔だ。十年に一度、この地に住まう魔道士は境界地から新たな弟子を選び鍛えている。高き塔の内部には無数の蔵書があり、中には弟子が読むことを禁じられた秘術の本も存在する。
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複雑な魔法が使用人や衛兵の代わりとして塔を管理する手助けとなるが、経験豊富な魔道士でなければそれらを適切に機能させることはできない。塔の上部には、魔道士にすらたどり着けない秘密の階層があると噂されている。
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*日本語訳に表記揺れがあり、MTGアリーナの豆知識では「カーヴェリン」、公式記事『全高10話』では「ケアヴェリン」と訳されている。
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===デルヴァーホウ/Delverhaugh===
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山中にあるドワーフの都市の中でも、特に変わっているものがデルヴァーホウだ。多くの都市のドワーフ達は工業に精を出しているが、この地の住民は新ファイレクシアの侵攻後に大きく生き方を変えた。すなわち、歓楽者としての道だ。今や石の広間には金槌やツルハシの音よりも、祝いの音楽が鳴り響いている。古代の鍛冶場も今や鉄を鍛えるためではなく、宴会の食べ物を焼くために用いられている。
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都市の外の勤勉な住民は、この変化に混乱と違和感を覚えている。しかし当の本人たちはまるで気にしておらず、明日の食い扶持よりも今を楽しむことを重視している。彼らの技巧は新たな生き方にも役立っており、クリスタルや切子硝子などを会場の飾りに用いている。
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彼らのパーティは開かれるたびに豪華さを増していき、その全てがエルドレインの誰も見たことがないような最大の祝祭'''大餐会'''/''Grand Ball''へと繋がっている。
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===ストームケルド/Stormkeld===
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僻境のはるか上空に浮かぶ島々、それがストームケルドである。[[巨人/Giant#ストーム・ジャイアント/Storm giant|ストーム・ジャイアント/Storm Giant]]と呼ばれる青肌の巨人が暮らす地であり、彼らの砦・塔・小屋などが点在しているが、いずれも[[ベルーナ・グランドスコール/Beluna Grandsquall (ストーリー)|ベルーナ・グランドスコール/Beluna Grandsquall]]の住まう城'''雷落とし'''/''Thunderous''からは一定の距離を取っている。
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僻境に根を張り雲の上へと伸びる'''永久の木'''/''Everstalkes''は、地上とストームケルドを結ぶ数少ない道である。何本もの巨大な豆の木のツタが、さながら有害な雑草やブラックベリーの茂みのように無秩序に拡大している。これらは地上の小屋や小さな城を包み込んでしまうこともある。時には断崖絶壁に橋を架けたり、洞窟の奥深くまで入り込んだりすることもある。
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ストームケルドの野生動物は地上とは異なる進化を遂げており、雲や豆の木のような特徴を持つものが多い。中には地上の生物を巨大にしたようなものも存在する。
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===絡み架かり/Tanglespan===
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新ファイレクシアの侵攻に対し、エルドレインの民は巨大な裂け目を開き、侵略者を中に閉じ込めようとした<ref>[https://magic.wizards.com/en/news/magic-story/the-adventures-of-rankle-master-of-love March of the Machine | Eldraine: The Adventures of Rankle, Master of Love]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/MOM/0036864/ サイドストーリー・エルドレイン編 愛の達人、ランクルの冒険]で開かれたものと同類と思われる</ref>。しかし戦争終結後も裂け目は閉じず、今やその場所を渡るには絡み架かりと呼ばれる橋や豆の木のネットワークを通らねばならなくなった。
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絡み架かりを旅人が通るようになると、[[トロール/Troll#エルドレイン|トロール/Troll]]は彼らを手頃な獲物として狙うようになった。かつて近辺の森に住んでいた[[サテュロス/Satyr#エルドレイン|フォーン/Faun]]はこの橋を管理・維持すると共に、旅人をトロールの脅威から守るために戦っている。
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===葬儀人の曲がり角/Undertaker's Corner===
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ロークスワインへの街道において、特に危険とされる場所がこの「葬儀人の曲がり角」と呼ばれる崖だ。数百フィート(1フィート≒30センチ)の眼下にはのどかな農場が広がっているが、その直前で道は急に右折し、谷へジグザグに下る。数多くの荷馬車がスピードの出し過ぎで曲がり切れず、崖から転落していった。
  
 
==種族==
 
==種族==
*[[人間|'''人間'''/''Human'']]
+
;文明的な種族
*[[エルフ#ストーリー|'''エルフ'''/''Elf'']]
+
*[[人間/Human#エルドレイン|'''人間'''/''Human'']] - 人型種族の一つ。ほとんどは王国の民だが、僻境の[[邪術師]]、'''魔女'''/''Witch''もいる。
*[[ドワーフ|'''ドワーフ'''/''Dwarf'']]
+
*[[エルフ/Elf#エルドレイン|'''エルフ'''/''Elf'']] - 森の種族。かつて人間に追放され、今は僻境に住まう。[[ドルイド]]の評議会を擁する。
*[[巨人#ストーリー|'''巨人'''/''Giant'']]
+
*[[巨人/Giant#エルドレイン|'''巨人'''/''Giant'']] - 大柄な種族。一部の者は他種族に対して優しく、ギャレンブリグの騎士となる。上空に住まうものも存在する。
*[[マーフォーク#ストーリー|'''Undine''']](ウンディーネ)
+
*[[ドワーフ/Dwarf#エルドレイン|'''ドワーフ'''/''Dwarf'']] - 小柄な種族。鉱石を採掘して武器や装身具を作り、時に人間と商売を行う。
*[[ゴブリン#ストーリー|'''レッドキャップ'''/''Redcap'']]
+
*[[マーフォーク/Merfolk#エルドレイン|'''マーフォーク'''/''Merfolk'']] - 水棲種族。好奇心旺盛で、魔法の鏡があるメア湖に棲む。'''Undine'''(ウンディーネ)とも。
*[[フェアリー#ストーリー|'''フェアリー'''/''Faerie'']](フェイ/Fae)
+
*[[フェアリー/Faerie#エルドレイン|'''フェアリー'''/''Faerie'']] - 空飛ぶ妖精。泥棒や悪戯好きに加え、気まぐれに人間を助ける者もいる。'''フェイ'''/''Fae''とも。
 +
*[[レッドキャップ/Redcap|'''レッドキャップ'''/''Redcap'']] - 血染めのゴブリン。不意打ちのような卑怯な戦略に長け、人間から略奪を行う。
 +
*[[サテュロス/Satyr#エルドレイン|'''フォーン'''/''Faun'']] - [[ヤギ]]の獣人のようなサテュロス。元は隠遁者だったが、近年は人間に協力している。
 +
;その他の種族
 +
*[[執政官#ストーリー|'''アルコン'''/''Archon'']] - 有翼の鹿に騎乗した神々しい人型生物。王国と僻境の境を飛ぶとされる。
 +
*[[スペクター|'''スペクター'''/''Specter'']] - 禍々しいクリーチャーに騎乗した人型生物。実は乗られている怪物が死体を操って騎手にしている。
 +
*[[ホラー#ストーリー|'''ホラー'''/''Horror'']] - 恐るべき怪物。甘歯村のお菓子な化け物もこれに該当する。
 +
*[[ゾンビ#ストーリー|'''リッチの騎士'''/''Lich-Knight'']] - 僻境を彷徨うアンデッド。ダンバロウに彼らの城があると噂されている。
 +
*[[ナイトメア#ストーリー|'''ナイトメア'''/''Nightmare'']] - アショクの創造物。[[ファイレクシアン#ストーリー|ファイレクシア人]]に似せて作られたものも多い。
 +
*[[ドラゴン#ストーリー|'''ドラゴン'''/''Dragon'']] - 長い尾を持つ知的な有翼種族。性格は多種多様だが、宝や金属類を求める傾向にある。
 +
*[[オーガ#ストーリー|'''オーガ'''/''Ogre'']] - 巨体の邪悪な人型種族。その恨みは非常に根深いことで知られている。
 +
*[[魔女跡追い/Witchstalker#ストーリー|'''魔女跡追い'''/''Witchstalker'']] - 大型の狼。闇の魔術に反応して襲い掛かる。
 +
*[[トロール/Troll#エルドレイン|'''トロール'''/''Troll'']] - 肉食の愚鈍な人型種族。絡み架かりではフォーンと対立している。
 +
*[[アウフ|'''アウフ'''/''Ouphe'']] - 僻境に住む緑の体毛を持った生物。見た目とは裏腹に、自然界に造詣が深い。
  
 
==キャラクター==
 
==キャラクター==
57行: 155行:
 
**[[ウィル・ケンリス/Will Kenrith (ストーリー)|'''ウィル・ケンリス'''/''Will Kenrith'']] - 人間の魔道士。男性。氷の魔法を操る。ローアンとは双子。
 
**[[ウィル・ケンリス/Will Kenrith (ストーリー)|'''ウィル・ケンリス'''/''Will Kenrith'']] - 人間の魔道士。男性。氷の魔法を操る。ローアンとは双子。
 
*他次元からの訪問者
 
*他次元からの訪問者
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**[[アショク/Ashiok|'''アショク'''/''Ashiok'']] - 正体不明の存在。エリエットに協力すると共に、人々を悪夢で苦しめている。
 
**[[ガラク/Garruk|'''ガラク'''/''Garruk'']] - 人間の狩人。男性。[[鎖のヴェール/The Chain Veil#ストーリー|鎖のヴェール/The Chain Veil]]の呪いに侵されている。
 
**[[ガラク/Garruk|'''ガラク'''/''Garruk'']] - 人間の狩人。男性。[[鎖のヴェール/The Chain Veil#ストーリー|鎖のヴェール/The Chain Veil]]の呪いに侵されている。
**[[オーコ/Oko|'''オーコ'''/''Oko'']] - フェイ/Feyの[[多相の戦士|シェイプシフター]]。男性。偽善と感じるものを見つけては残酷な「悪戯」を仕掛ける。
+
**[[オーコ/Oko|'''オーコ'''/''Oko'']] - フェイ/Feyの[[多相の戦士/Shapeshifter (ストーリー)#その他の次元|シェイプシフター]]。男性。偽善と感じるものを見つけては残酷な「悪戯」を仕掛ける。
 +
**[[ヴラスカ/Vraska|'''ヴラスカ'''/''Vraska'']] - [[ゴルゴン]]の暗殺者。女性。ロークスワインの旗を土産として持ち帰ったことがある。
  
 
;エルドレインの住人
 
;エルドレインの住人
*[[帰還した王、ケンリス/Kenrith, the Returned King|'''アルジェナス・ケンリス'''/''Algenus Kenrith'']] - 王国全体を統べる人間の崇王。ローアンとウィルの父。
+
*[[#アーデンベイル/Ardenvale|アーデンベイル]]の主要キャラクター
*[[ロークスワインの元首、アヤーラ/Ayara, First of Locthwain|'''アヤーラ'''/''Ayara'']] - ロークスワインを統べるエルフの女王。エルフが王国を治めていた時代からの生き残りである。
+
**[[アルジェナス・ケンリス/Algenus Kenrith|'''アルジェナス・ケンリス'''/''Algenus Kenrith'']] - 王国全体を統べる人間の崇王。ローアンとウィルの父。
*[[老いたる者、ガドウィック/Gadwick, the Wizened|'''ガドウィック'''/''Gadwick'']] - ヴァントレスを統べる人間の魔術師。男性。人前に姿を現すことはほとんどない。
+
**[[リンデン・ケンリス/Linden Kenrith|'''リンデン・ケンリス'''/''Linden Kenrith'']] - アーデンベイルの女王。アルジェナスの妃で、ローアンとウィルの継母。
*[[不動の女王、リンデン/Linden, the Steadfast Queen|'''リンデン・ケンリス'''/''Linden Kenrith'']] - アーデンベイルの女王。アルジェナスの妃で、ローアンとウィルの継母。
+
**[[獅子の爪、エイリン卿/Syr Alin, the Lion's Claw#ストーリー|'''エイリン'''/''Alin'']] - アーデンベイルの騎士。
*[[探索する獣/Questing Beast|'''探索する獣'''/''Questing Beast'']] - 伝説に謳われる三つ首の獣。崇王となるに相応しい者を選び、探索行を課す。
+
**[[救世主、アーモント卿/Syr Armont, the Redeemer#ストーリー|'''アーモント'''/''Armont'']] - アーデンベイルの騎士。女性。赤歯砦の呪われたエルフを救おうとしている。
*[[朱地洞の族長、トーブラン/Torbran, Thane of Red Fell|'''トーブラン'''/''Torbran'']] - エンバレスのドワーフ。男性。評議会の一員と思われる。
+
**[[恐怖殺し、セリーズ/Cerise, Slayer of Fear#ストーリー|'''シーリス'''/''Cerise'']] - アーデンベイルの癒し手。女性。ローアンとウィルの幼馴染。
*[[ギャレンブリグの領主、ヨルヴォ/Yorvo, Lord of Garenbrig|'''ヨルヴォ'''/''Yorvo'']] - ギャレンブリグを統べる巨人の王。心優しき人物。
+
**[[ジョシュア卿とサクソン卿/Syr Joshua and Syr Saxon#ストーリー|'''サクソン'''/''Saxon'']] - アーデンベイルの騎士。男性。いつもジョシュアと共に行動している。
*[[エルドレインのその他のキャラクター]]
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*[[#ヴァントレス/Vantress|ヴァントレス]]の主要キャラクター
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**[[老いたる者、ガドウィック/Gadwick, the Wizened#ストーリー|'''ガドウィック'''/''Gadwick'']] - ヴァントレスを統べる人間の魔術師。男性。人前に姿を現すことはほとんどない。
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**[[魔法の鏡/The Magic Mirror#ストーリー|'''インドレロン'''/''Indrelon'']] - ヴァントレスの秘宝である魔法の鏡。
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**[[具眼の主、エレノラ卿/Syr Elenora, the Discerning|'''エレノラ'''/''Elenora'']] - ヴァントレスの騎士。
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*[[#ロークスワイン/Locthwain|ロークスワイン]]の主要キャラクター
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**[[アヤーラ/Ayara|'''アヤーラ'''/''Ayara'']] - ロークスワインを統べるエルフの女王。エルフが王国を治めていた時代からの生き残りである。
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**[[厳格な者、コンラッド卿/Syr Konrad, the Grim|'''コンラッド'''/''Konrad'']] - ロークスワインの騎士。
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*[[#エンバレス/Embereth|エンバレス]]の主要キャラクター
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**[[勇敢な騎士、カラ卿/Syr Carah, the Bold#ストーリー|'''カラ'''/''Carah'']] - エンバレスの騎士。
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**[[アッシュベイルの英雄、グウィン卿/Syr Gwyn, Hero of Ashvale#ストーリー|'''グウィン'''/''Gwyn'']] - エンバレスの騎士。
 +
**[[イモデーン/Imodane|'''イモデーン'''/''Imodane'']] - 元エンバレスの騎士。女性。ファイレクシアの侵略後は略奪者に身をやつした。
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**[[パーティー破り、アッシュ/Ash, Party Crasher#ストーリー|'''アッシュ'''/''Ash'']] - エンバレス出身の人間。女性。大餐会への参加を望む。
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*[[#ギャレンブリグ/Garenbrig|ギャレンブリグ]]の主要キャラクター
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**[[ヨルヴォ/Yorvo|'''ヨルヴォ'''/''Yorvo'']] - ギャレンブリグを統べる巨人の王。心優しき人物。
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**[[ヘンジの槌、ファレン卿/Syr Faren, the Hengehammer#ストーリー|'''ファレン'''/''Faren'']] - ギャレンブリグの騎士。
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**[[ジョシュア卿とサクソン卿/Syr Joshua and Syr Saxon#ストーリー|'''ジョシュア'''/''Joshua'']] - ギャレンブリグの騎士。男性。いつもサクソンと共に行動している。
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 +
*魔女の姉妹
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**[[アガサ/Agatha|'''アガサ'''/''Agatha'']] - 飢えたる魔女。人間を喰らう残酷な人物。
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**[[エリエット/Eriette|'''エリエット'''/''Eriette'']] - 眠りの魔女。支配欲が強い。
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**[[ヒルダ/Hylda|'''ヒルダ'''/''Hylda'']] - 氷の魔女。孤独を求めている。
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*妖精
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**[[巧妙な工作員、アリーラ/Alela, Artful Provocateur#ストーリー|'''アリーラ'''/''Alela'']] - 遠大な陰謀を好む妖精。女性。
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**[[ケラン/Kellan|'''ケラン'''/''Kellan'']] - フェイと人間の間に生まれた子。男性。
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**[[夢見る決闘者、オビラ/Obyra, Dreaming Duelist#ストーリー|'''オビラ'''/''Obyra'']] - ハイフェイの姫君。類稀なる力を持った剣士。
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**[[ランクル/Rankle|'''ランクル'''/''Rankle'']] - 悪ふざけの名人。男性。嫌われ者だが、彼を王と慕う妖精もいる。
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**[[タリオン/Talion|'''タリオン'''/''Talion'']] - ハイフェイの王。ノンバイナリー。数多くの異名を持つ。
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*その他
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**[[ベルーナ・グランドスコール/Beluna Grandsquall (ストーリー)|'''ベルーナ・グランドスコール'''/''Beluna Grandsquall'']] - ストームケルドの巨人。女性。下界から様々な物品を蒐集している。
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**[[伝承の語り部、チュレイン/Chulane, Teller of Tales#ストーリー|'''チュレイン'''/''Chulane'']] - 人間の魔道士。男性。伝承の語り部。
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**[[湖に潜む者、エムリー/Emry, Lurker of the Loch|'''エムリー'''/''Emry'']] - メア湖のウンディーネ。女性。
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**[[擬態する歓楽者、ゴドリック/Goddric, Cloaked Reveler#ストーリー|'''ゴドリック'''/''Goddric'']] - 僻境のドラゴン。男性。人間に変身して大餐会に出席している。
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**[[甘歯村の断罪人、グレタ/Greta, Sweettooth Scourge#ストーリー|'''グレタ'''/''Greta'']] - 魔女狩りの人間。女性。きょうだいを甘歯村の怪物に殺された。
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**[[太っ腹、グラングリー/Grumgully, the Generous|'''グラングリー'''/''Grumgully'']] - レッドキャップ。男性。
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**[[ケランの相棒、ヘックス/Hex, Kellan's Companion#ストーリー|'''ヘクス'''/''Hex'']] - ケランの家で飼われている牧羊犬。雄。
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**[[見習い魔術師、ジョハン/Johann, Apprentice Sorcerer#ストーリー|'''ジョハン'''/''Johann'']] - 境界地出身の人間。男性。カーヴェリンの見習い魔術師。
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**[[フェイに呪われた王、コルヴォルド/Korvold, Fae-Cursed King#ストーリー|'''コルヴォルド'''/''Korvold'']] - フェイに呪われドラゴンとなった王。男性。
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**[[寛大な夜明け、ラシエル/Lathiel, the Bounteous Dawn#ストーリー|'''ラシエル'''/''Lathiel'']] - ユニコーン。雌。その姿を見ることは幸運とされる。
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**[[下水王、駆け抜け侯/Lord Skitter, Sewer King#ストーリー|'''駆け抜け候'''/''Lord Skitter'']] - 悪魔的なネズミ。雄。地上の支配を狙っている。
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**[[悪夢に追われる者、ネヴァ/Neva, Stalked by Nightmares#ストーリー|'''ネヴァ'''/''Neva'']] - 人間の貴族。女性。[[忌まわしき眠り/Wicked Slumber]]に囚われてしまった。
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**[[探索する獣/Questing Beast#ストーリー|'''探索する獣'''/''Questing Beast'']] - 伝説に謳われる三つ首の獣。崇王となるに相応しい者を選び、探索行を課す。
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**[[ルビー/Ruby|'''ルビー'''/''Ruby'']] - エッジウォールのはずれに住む人間。女性。赤いフードを被っている。
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**[[麻痺海溝のシャレー/Sharae of Numbing Depths#ストーリー|'''シャレー'''/''Sharae'']] - ラレント湖のウンディーネ達のリーダー。女性。
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**[[食事を終わらせるもの、ジンジャー卿/Syr Ginger, the Meal Ender|'''ジンジャー卿'''/''Syr Ginger'']] - ジンジャーブレッドの騎士。女性。片割れを食べたプレインズウォーカーを憎んでいる。
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**[[トーブラン/Torbran|'''トーブラン'''/''Torbran'']] - ドワーフの部族の長。男性。
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**[[トロヤン/Troyan|'''トロヤン'''/''Troyan'']] - [[ラヴニカ/Ravnica]]出身のヴィダルケン。男性。[[領界路/Omenpath]]を通ってエルドレインに来た。
 +
**[[大群の笛吹き、トーテンタンズ/Totentanz, Swarm Piper#ストーリー|'''トーテンタンズ'''/''Totentanz'']] - 人間の笛吹き。男性。駆け抜け候からネズミを操る力を与えられた。
 +
**[[赤歯の執政、イェナ/Yenna, Redtooth Regent#ストーリー|'''イェナ'''/''Yenna'']] - 赤歯砦のエルフ達の指導者。女性。
 +
**[[エルドレインのその他のキャラクター]]
  
 
==登場==
 
==登場==
 
===登場作品・登場記事===
 
===登場作品・登場記事===
*[[Throne of Eldraine: The Wildered Quest]](小説)
+
;[[エルドレインの王権]]
*[https://mtg-jp.com/reading/special/0033132/ 『エルドレインの王権』物語ダイジェスト:第1回 その舞台と人物]([[2019年]]10月3日 [[若月繭子]]著)
+
*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/planeswalkers-guide-eldraine-2019-10-31 Planeswalkers Guide to Eldraine]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/0033430/ プレインズウォーカーのためのエルドレイン案内]([[Daily MTG]] Feature [[2019年]]10月31日 [[Chris Mooney]]著)
 +
*その他の作品・記事については[[背景世界/読み物/エルドレインの王権]]を参照。
 +
;[[機械兵団の進軍]]
 +
*[https://magic.wizards.com/en/news/magic-story/the-adventures-of-rankle-master-of-love March of the Machine | Eldraine: The Adventures of Rankle, Master of Love]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/MOM/0036864/ サイドストーリー・エルドレイン編 愛の達人、ランクルの冒険]([[Daily MTG]] [[2023年]]3月22日)
 +
*[https://magic.wizards.com/en/news/feature/planeswalkers-guide-to-march-of-the-machine Planeswalker's Guide to March of the Machine: The Phyrexian Invasion of the Multiverse]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/0036877/ プレインズウォーカーのための『機械兵団の進軍』案内:ファイレクシアによる多元宇宙侵略]([[Daily MTG]] [[2023年]]4月11日)
 +
;[[エルドレインの森]]
 +
*[https://magic.wizards.com/en/news/making-magic/ten-stories-tall Ten Stories Tall]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0037269/ 全高10話]([[Making Magic]] 2023年9月25日 [[Mark Rosewater]]著)
 +
*MTGアリーナの豆知識(エルドレインの森期)
 +
*MTG公式Discord([[Roy Graham]]による質疑応答)
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**[https://www.reddit.com/r/mtgvorthos/comments/1641zno/mtg_discord_wilds_of_eldraine_qa/ 有志における上記内容のメモ](Reddit -  r/mtgvorthos [[2023年]]8月29日)
 +
*『エルドレインの森』ワールドガイド展示資料([https://mtg-jp.com/30th/ 30th Anniversary CELEBRATION TOKYO]、英語)
 +
*その他の作品・記事については[[エルドレインの森#背景設定]]を参照。
  
 +
==脚注==
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<references />
 
==参考==
 
==参考==
 
*[[次元/Plane]]
 
*[[次元/Plane]]
 
*[[次元一覧]]
 
*[[次元一覧]]
 
*[[背景世界/ストーリー用語]]
 
*[[背景世界/ストーリー用語]]

2023年10月13日 (金) 03:22時点における最新版

エルドレイン/Eldraineは、多元宇宙/Multiverseに存在する次元/Planeの一つ。エルドレインの王権エルドレインの森の舞台となった。

目次

[編集] 世界観

騎士道とおとぎ話の次元/Plane人間/Humanが住まう秩序の領域、王国/The Realmと、危険な野生と魔の領域、僻境/The Wilds、そしてその両者の間に広がる境界地/The Boundary Landsから成る。

[編集] 王国/The Realm

多元宇宙/Multiverseには多くの美しい眺めや、絵画のような田舎の風景が存在するが、エルドレインの王国ほど静穏な場所は滅多にない。王国での生活の日々のほとんどは簡素で落ち着いており、ここを故郷と呼ぶ者たち――ほとんどが人間――は、そのような生き方を好んでいる。

しかしながら、王国は単に寛げる保養地というだけではない。美徳ある者なら誰でも、自らの価値を証明して栄光の座に至ることのできる大舞台でもあるのだ。王国での偉業は富、尊敬、地位という形で報われる。不可思議な旅人を怪しむ住人もいるかもしれないが、別の世界からの訪問者でさえ、望むなら高貴なる地位に就くこともできる。

王国の大部分は小さな集落と農地だが、この地を統べるのは五つの宮廷――すなわち、アーデンベイル/Ardenvaleヴァントレス/Vantressロークスワイン/Locthwainエンバレス/Emberethギャレンブリグ/Garenbrigだ。これらの宮廷は領域の民を支え、守り、民の基本的な美徳を維持している。五つの宮廷はほとんど独立した州のようなものだが、崇高の玉座/The High Throneの統治の下で一つの王国としてまとまっている。宮廷は、競技の場では激しい対抗心を抱くかもしれないが、他の宮廷と大っぴらに対立することは滅多になく、公然と戦争をしたことは一度もない。

新ファイレクシア/New Phyrexiaの侵攻により、王国は壊滅的な打撃を受けた。

[編集] 歴史

人間の隆盛以前には、エルフが後の王国となる地を統べていた。人間曰く、彼らは高慢で尊大、虚栄心が強く残忍で、あらゆる不道徳な魔法を野放図に使用していた。自分の身を守れないほど弱い者は膝をついて庇護を求めるべき、それが彼らの言い分だった。また伝説によれば、古の時代、森には果てがなく、その自然の木々は見渡すかぎりに広がっていた。八世代か九世代前、人間が力をつけ、エルフを追放して王国を築き上げた。森そのものがエルフとともに後退し、何世紀も前から知られているエルドレインの姿、すなわち王国と僻境という分断を生み出した。

[編集] 遺物

宮廷の中枢を成す五つの遺物は、古の時代のエルフの宝であり、いくつかはエルフの魔法によって作られた可能性さえある。遺物は驚異的で神秘的な物体であり、測り知れない魔法の力と、定命の者の理解を超えた知覚を有している。確かなのは、五つの遺物それぞれが五つの美徳のうちの一つの物理的体現であり、個人の内にあるその美徳を判断する力を持っているということだ。王国では、遺物の美徳(およびその審判)は客観的で議論の余地がないものと見なされており、この絶対確実性こそが王国社会全体を構築するものである。

[編集] 美徳

王国での生活は、五つの基本的な美徳を中心としている――すなわち、忠誠/Loyalty知識/Knowledge執念/Persistence勇気/Courage強さ/Strengthだ。王国の住人はすべて、騎士であれ貴族であれ農民であれ、日々の暮らしの中でこれらの美徳を維持しようと励む。王国の者が誰かを称賛したり侮辱したりしたい場合には、いずれかの美徳に従って生きられているかいないかを引き合いに出すことが多い。

五つの美徳は五つの遺物によって確立されており、そのため絶対的な敬意と権威をもって扱われる。王国の住人は、すべての美徳を励むべき理想と見なしているが、必ずしも平等にではない。当然、各宮廷は自らの遺物に関する美徳が最も重要なものであると信じている。とはいえ、その美徳が他のものの代わりになるわけではない。エンバレスの騎士は他のどの美徳よりも勇気を称えるだろうが、忠誠や知識に欠ける者を見下すことには変わりない。

[編集] 騎士

王国では、騎士号は個人が受けることのできる最高の栄誉の一つだ。騎士は勇者、英雄、美徳の模範として尊敬される。王国の騎士は皆、「/Syr」の敬称を付けて呼ばれる。彼らは無辜の民を守ることから、僻境での大胆な冒険に赴くことまで、多くの責任を負っている。騎士はしばしば精巧に作られた鎧と武器を装備し、様々な種と大きさの立派な乗騎に跨り、時にはそれぞれの宮廷の遺物から引き出される強力な魔法を振るう。

いずれかの宮廷で騎士号を獲得することは、その宮廷の美徳に卓越していると証明するための探索を行うことを意味する。いくつかの宮廷では、真の騎士になるための最後の工程は、その宮廷の遺物の審判を受けることである。

[編集] 崇高の玉座/The High Throne

おおよそ一世代に一度、探索する獣/Questing Beastと呼ばれる神秘的な生物が傑出した騎士を選び、至高の探索/The High Questあるいは大探索/The Great Questと呼ばれる厳しい試練を課す。王国を統べる崇高の玉座/The High Throneに就くための試練を。崇高の玉座を求める者は、王国最高の地位に値する美徳を備えていることを証明するため、五つの宮廷すべてで騎士号を獲得しなければならない。

過去五十年で、至高の探索を課されたのは二人――アルジェナス/Algenusリンデン/Lindenだけだ。リンデンは途中、何らかの理由でこれを断念したが、アルジェナスはこれを達成し、崇王/High Kingの座に就いた。

[編集] 宮廷

[編集] アーデンベイル/Ardenvale

の宮廷。「忠誠」を最も重要な美徳とする。紋章は円環状の炎。

崇王アルジェナス・ケンリス/Algenus Kenrithは王国全体の統治者であると同時に、アーデンベイルの統治者でもある。その妃たる女王リンデン・ケンリス/Linden Kenrithもまた、アルジェナスとともにアーデンベイルを統治している。

アーデンベイル城/Castle Ardenvaleの中央塔には忠誠の円環/The Circle of Loyaltyがある。騎士になるためには、銀炎でできたこの円環をくぐらなければならない。真の忠誠を持つ者だけが無傷で通り抜けることができる。

詳細はアーデンベイル/Ardenvaleを参照。

[編集] ヴァントレス/Vantress

の宮廷。「知識」を最も重要な美徳とする。紋章は鍵穴。人間の大魔道士、ガドウィック/Gadwickが実質的な統治者となっている。

メア湖/Lochmereの水上に建てられたヴァントレス城/Castle Vantressの遥か下方には、魔法の鏡/The Magic Mirrorインドレロン/Indrelonが置かれている。インドレロンから騎士号や何らかの知識を得るためには、対価としてその鏡が知らない秘密を教えなければならない。

詳細はヴァントレス/Vantressを参照。

[編集] ロークスワイン/Locthwain

の宮廷。「執念」を最も重要な美徳とする。紋章はゴブレット。エルフの女王、アヤーラ/Ayaraが統治している。

生者に永遠の若さを与え死者をも蘇らせるという遺物、永遠の大釜/The Cauldron of Eternityを所有していたが、今は失われている。大釜を失って以来、ロークスワイン城/Castle Locthwainは宙に浮いたままとなっている。この遺物を求めて探索に赴き、命を落とす騎士は後を絶たない。

詳細はロークスワイン/Locthwainを参照。

[編集] エンバレス/Embereth

の宮廷。「勇気」を最も重要な美徳とする。紋章は菱形と三本の槍。評議会が統治している。

真の名を燃焦苑/The Burning Yardという複合競技場、エンバレス城/Castle Emberethには王国中から闘士が集まる。宮廷の遺物は赤熱する巨石アイレンクラッグ/The Irencragで、エンバレスの宝剣/Embercleaveはそれが名を授けた剣の一つ。

詳細はエンバレス/Emberethを参照。

[編集] ギャレンブリグ/Garenbrig

の宮廷。「強さ」を最も重要な美徳とする。紋章は槌。巨人の王、ヨルヴォ/Yorvoが統治している。

ギャレンブリグ城/Castle Garenbrigの主要な部分を占めるのは、人間の隆盛以前の時代に巨人によって築かれた環状列石、グレートヘンジ/The Great Hengeだ。これは巨大な日時計であり、特定の日付の特定の時間には、僻境の深奥へと繋がる魔法の門と化す。

詳細はギャレンブリグ/Garenbrigを参照。

[編集] 王国のその他の地名

王国の辺境にはオリンシャー/Orrinshireという村が存在しており、村民の5倍ほどの羊が飼われている。旅の商人が訪れる日が祝日になるほどの辺鄙な土地であり、それゆえ新ファイレクシアの侵略も受けなかった。

[編集] 境界地/The Boundary Lands

王国の城と魔法に満ちた僻境は突然切り替わるわけではなく、その間に境界地と呼ばれる中間の地域が存在する。そこには絵画のように美しい森や牧草地、岩だらけの断崖絶壁、霧に覆われた湖が広大に広がっている。

境界地にはいくつかの居住地が点在し、山羊などを飼育している。起伏のある野原にはこれら家畜が放牧されているが、時折襲ってくる飢えたグリフィンからそれらを守る必要がある。

[編集] エッジウォール/Edgewall

文明と僻境の境界線に最も近い村、それがエッジウォールだ。肉屋やパン屋に狩人、放浪の騎士や妖精狩りまで様々な人間/Humanがこの地にはいる。それだけではなく、ドワーフ/Dwarfの商人、人間とエルフ/Elfの友人がハグをする様子、そのほか神出鬼没な僻境の生物も目撃することができるだろう。エッジウォールの曲がりくねった通りや小径は密集しており、境界地のより広大な地域のようにあなたを惑わせるかもしれない。

エッジウォールの建造物の多くは人間によるものだが、明らかに僻境のフェイ属/The fair folkにより作られたものも散在している。屋根の先端が尖っているものや、ツリーハウスは比較的珍しい。村の最古の建造物のいくつかはドワーフの居住地として作られたと言われている――そのうちの一つの遺跡は地下深くまで続いているとも。

  • エッジウォールの名前については、エルドレインの王権時点ではエッジウォールの亭主/Edgewall Innkeeperのフレイバー・テキストでエッジウォール砦/Edgewall Keepと表記されていた。しかしワールドガイド展示資料ではKeep無しの表記であり、エルドレインの森のストーリー記事およびフレイバー・テキストでも同様のためそちらに従った。

[編集] 僻境/The Wilds

奇妙な法則と野生が広がり、フェイ属/The fair folkと呼ばれる魔法生物が跋扈する恐るべき世界。

詳細は僻境/The Wildsを参照。

[編集] その他の地理

王国・境界地・僻境のどこに属するかが明言されていないものをこの節にまとめる(ほとんどは境界地~僻境のいずれかと思われる)。ABC順。

[編集] カーヴェリン/Caervelin

カーヴェリンはエルフによって建設され、謎めいたヴァントレスの魔道士により占領・修復された古代の塔だ。十年に一度、この地に住まう魔道士は境界地から新たな弟子を選び鍛えている。高き塔の内部には無数の蔵書があり、中には弟子が読むことを禁じられた秘術の本も存在する。

複雑な魔法が使用人や衛兵の代わりとして塔を管理する手助けとなるが、経験豊富な魔道士でなければそれらを適切に機能させることはできない。塔の上部には、魔道士にすらたどり着けない秘密の階層があると噂されている。

  • 日本語訳に表記揺れがあり、MTGアリーナの豆知識では「カーヴェリン」、公式記事『全高10話』では「ケアヴェリン」と訳されている。

[編集] デルヴァーホウ/Delverhaugh

山中にあるドワーフの都市の中でも、特に変わっているものがデルヴァーホウだ。多くの都市のドワーフ達は工業に精を出しているが、この地の住民は新ファイレクシアの侵攻後に大きく生き方を変えた。すなわち、歓楽者としての道だ。今や石の広間には金槌やツルハシの音よりも、祝いの音楽が鳴り響いている。古代の鍛冶場も今や鉄を鍛えるためではなく、宴会の食べ物を焼くために用いられている。

都市の外の勤勉な住民は、この変化に混乱と違和感を覚えている。しかし当の本人たちはまるで気にしておらず、明日の食い扶持よりも今を楽しむことを重視している。彼らの技巧は新たな生き方にも役立っており、クリスタルや切子硝子などを会場の飾りに用いている。

彼らのパーティは開かれるたびに豪華さを増していき、その全てがエルドレインの誰も見たことがないような最大の祝祭大餐会/Grand Ballへと繋がっている。

[編集] ストームケルド/Stormkeld

僻境のはるか上空に浮かぶ島々、それがストームケルドである。ストーム・ジャイアント/Storm Giantと呼ばれる青肌の巨人が暮らす地であり、彼らの砦・塔・小屋などが点在しているが、いずれもベルーナ・グランドスコール/Beluna Grandsquallの住まう城雷落とし/Thunderousからは一定の距離を取っている。

僻境に根を張り雲の上へと伸びる永久の木/Everstalkesは、地上とストームケルドを結ぶ数少ない道である。何本もの巨大な豆の木のツタが、さながら有害な雑草やブラックベリーの茂みのように無秩序に拡大している。これらは地上の小屋や小さな城を包み込んでしまうこともある。時には断崖絶壁に橋を架けたり、洞窟の奥深くまで入り込んだりすることもある。

ストームケルドの野生動物は地上とは異なる進化を遂げており、雲や豆の木のような特徴を持つものが多い。中には地上の生物を巨大にしたようなものも存在する。

[編集] 絡み架かり/Tanglespan

新ファイレクシアの侵攻に対し、エルドレインの民は巨大な裂け目を開き、侵略者を中に閉じ込めようとした[1]。しかし戦争終結後も裂け目は閉じず、今やその場所を渡るには絡み架かりと呼ばれる橋や豆の木のネットワークを通らねばならなくなった。

絡み架かりを旅人が通るようになると、トロール/Trollは彼らを手頃な獲物として狙うようになった。かつて近辺の森に住んでいたフォーン/Faunはこの橋を管理・維持すると共に、旅人をトロールの脅威から守るために戦っている。

[編集] 葬儀人の曲がり角/Undertaker's Corner

ロークスワインへの街道において、特に危険とされる場所がこの「葬儀人の曲がり角」と呼ばれる崖だ。数百フィート(1フィート≒30センチ)の眼下にはのどかな農場が広がっているが、その直前で道は急に右折し、谷へジグザグに下る。数多くの荷馬車がスピードの出し過ぎで曲がり切れず、崖から転落していった。

[編集] 種族

文明的な種族
  • 人間/Human - 人型種族の一つ。ほとんどは王国の民だが、僻境の邪術師魔女/Witchもいる。
  • エルフ/Elf - 森の種族。かつて人間に追放され、今は僻境に住まう。ドルイドの評議会を擁する。
  • 巨人/Giant - 大柄な種族。一部の者は他種族に対して優しく、ギャレンブリグの騎士となる。上空に住まうものも存在する。
  • ドワーフ/Dwarf - 小柄な種族。鉱石を採掘して武器や装身具を作り、時に人間と商売を行う。
  • マーフォーク/Merfolk - 水棲種族。好奇心旺盛で、魔法の鏡があるメア湖に棲む。Undine(ウンディーネ)とも。
  • フェアリー/Faerie - 空飛ぶ妖精。泥棒や悪戯好きに加え、気まぐれに人間を助ける者もいる。フェイ/Faeとも。
  • レッドキャップ/Redcap - 血染めのゴブリン。不意打ちのような卑怯な戦略に長け、人間から略奪を行う。
  • フォーン/Faun - ヤギの獣人のようなサテュロス。元は隠遁者だったが、近年は人間に協力している。
その他の種族
  • アルコン/Archon - 有翼の鹿に騎乗した神々しい人型生物。王国と僻境の境を飛ぶとされる。
  • スペクター/Specter - 禍々しいクリーチャーに騎乗した人型生物。実は乗られている怪物が死体を操って騎手にしている。
  • ホラー/Horror - 恐るべき怪物。甘歯村のお菓子な化け物もこれに該当する。
  • リッチの騎士/Lich-Knight - 僻境を彷徨うアンデッド。ダンバロウに彼らの城があると噂されている。
  • ナイトメア/Nightmare - アショクの創造物。ファイレクシア人に似せて作られたものも多い。
  • ドラゴン/Dragon - 長い尾を持つ知的な有翼種族。性格は多種多様だが、宝や金属類を求める傾向にある。
  • オーガ/Ogre - 巨体の邪悪な人型種族。その恨みは非常に根深いことで知られている。
  • 魔女跡追い/Witchstalker - 大型の狼。闇の魔術に反応して襲い掛かる。
  • トロール/Troll - 肉食の愚鈍な人型種族。絡み架かりではフォーンと対立している。
  • アウフ/Ouphe - 僻境に住む緑の体毛を持った生物。見た目とは裏腹に、自然界に造詣が深い。

[編集] キャラクター

プレインズウォーカー/Planeswalker
エルドレインの住人
  • 妖精

[編集] 登場

[編集] 登場作品・登場記事

エルドレインの王権
機械兵団の進軍
エルドレインの森

[編集] 脚注

  1. March of the Machine | Eldraine: The Adventures of Rankle, Master of Love/サイドストーリー・エルドレイン編 愛の達人、ランクルの冒険で開かれたものと同類と思われる

[編集] 参考

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