俗説
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このページではマジックにおける俗説を挙げる。一応、はっきりとした信憑性はないことを記しておく。
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主な俗説
テキストの短いカードは強い
シンプルイズベストといったところか。テキストが短い、すなわち効果が単純なカードは複雑なカードに比べて汎用性が高く、効果が限定されにくいので使いやすいことが多いと言える。実際パワー9は(オラクルなら)短いものばかり。ただ、時間停止/Time Stopなどのように、テキストは短くとも実際には効果がかなり複雑なカードも一部存在する。
「すべて」と書かれたカードは強い
テキストの短いカードが強いことに通ずる部分が多い。効果を及ぼす範囲が大きいので、デッキの中核にもなりやすいのかもしれない。
激動/Upheavalは「すべて」と書かれているにもかかわらず、その見た目から最初はカスレアと呼ばれた時期もあったが、使ってみるとやはり強く、一大勢力を築くに至った。
- そのほかWheel of Fortuneや補充/Replenish、記憶の壺/Memory Jarなど枚挙に暇がない。変わったところでは蓄積した知識/Accumulated Knowledgeなんてのも。
ルールを根本から覆すカードは強い
アーティファクト クリーチャー — 天使(Angel)
飛行
あなたはゲームに敗北することはなく、あなたの対戦相手はゲームに勝利することはない。
そもそもマジックのカードはマジックのルールの中で働く効果がつけられるものであるし、またプレイヤーもルールを念頭においてデッキを組むのが当然である。そこへルールをぶち壊してしまう効果のカードが出てくれば混乱は必至であり、想定外の出来事に手も足も出ずに敗北してしまうことだってある。
そのため、デッキを組む際に必ず意識しなければならなくなり、結果、環境への影響力が大きくなる。全く新しい効果を活用した新しいデッキやコンボなどが発見されればなおさらである。
ブロックの最後のエキスパンションは強い
かつて耳にすることが多かった俗説である。ブロックという概念が誕生したアイスエイジ・ブロックで当時最後のエキスパンションであったアライアンスが発売され、その強さを知らしめたことに端を発する。
それからしばらく経ち、テンペスト・ブロックのエクソダスあたりからこの噂が囁かれるようになり、その後のウルザズ・デスティニーも超強力であったことから、この説も定着していた。その他の例としては、インベイジョン・ブロックのアポカリプス、オデッセイ・ブロックのジャッジメント、オンスロート・ブロックのスカージ、時のらせんブロックの未来予知などが挙げられ、説得力を強めていた。
ただ、当時においてもやはり噂に過ぎず、プロフェシーのような例外、ウェザーライトなどの調整のとられた良質なエキスパンションも多かった。近年では調整の甲斐あってか最後のエキスパンションが非常に強い、ということは大きく減少したほか、戦乱のゼンディカー・ブロック以降は1つのブロックが2つのセットで構成されるようになり、最終的にイクサラン・ブロックを最後にブロック制は廃止されてしまったことで、この俗説を聞くこともほとんどなくなっている。
よく言われるもっともらしい理由としては、
- スタンダードでの使用期間が短いため、強力なカードを入れることで販売数を確保する狙いがある。Magic Online上でも賞品として支給される期間が短い。
- ブロックのシステムが発達するため、発展的・応用的なカードが出てくる。
などがある。もっとも、これらの理由も憶測に過ぎないため、「ちょっと面白い話」程度に思っておくのが吉だろう。
ちなみに、この話のルーツと言えるアライアンスは、コールドスナップの登場により第二エキスパンションとなっている。この当時は禁止カードが3枚も登場したダークスティールや梅澤の十手/Umezawa's Jitteを擁する神河謀叛といった強力な第二エキスパンションが近くに存在しており、「ブロックの第二のエキスパンションは強い」と言われることもあった。実際ビジョンズやウルザズ・レガシー、ネメシス、トーメントなども踏まえると、こちらもかなり現実味がある説であった。
(白)(白)をコストとするクリーチャーは強い
クリーチャー — 人間(Human) 騎士(Knight)
先制攻撃(このクリーチャーは、先制攻撃を持たないクリーチャーより先に戦闘ダメージを与える。)
プロテクション(黒)(このクリーチャーは黒のものに対して、ブロックされず、対象にならず、ダメージを与えられず、エンチャントされない。)
マジック黎明期において、白騎士/White KnightやOrder of Leitbur、白き盾の騎士団/Order of the White Shieldを4枚積んだ白ウィニー、12Knightsが活躍した。これらのクリーチャーはいずれもマナ・コストが(白)(白)であった。
以降も、長弓兵/Longbow Archerやサルタリーの僧侶/Soltari Priest、銀騎士/Silver Knightなど、(白)(白)のマナ・コストを持つクリーチャーはたびたびトーナメントにおいて活躍している(マナ・コストが(白)(白)のクリーチャーをWhisperで検索)。
そのため、スポイラーリストなどで(白)(白)のクリーチャーが発見されると期待されるケースが多い。
よく似た俗説として「黒のトリプルシンボルは強い」、「(4)(青)(青)の非クリーチャー呪文は強い」というものがある。
サイクルの白あるいは緑のカードは弱い
インスタント
以下から1つを選ぶ。
・プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは、3点のライフを得る。
・クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。このターン、それに与えられる次のダメージを3点軽減する。
伝説のクリーチャー — 麒麟(Kirin) スピリット(Spirit)
飛行
あなたがスピリット(Spirit)か秘儀(Arcane)呪文を唱えるたび、あなたはその呪文のマナ総量に等しい点数のライフを得てもよい。
サイクルにおいて白や緑はライフ回復やダメージ軽減、パワーやタフネスの強化等、ボード・アドバンテージが取れず勝利に直結しにくい効果を割り当てられることが多いため、サイクル中のこの2色のカードは弱いとしばしば言われる。
クリーチャーのサイクルの場合、緑は上記の点に加えて、カラーパイ上のキーワード能力が地味なので、デカくて重いだけと評価されるクリーチャーが作られがちなことも一因である。
- 近年では色の役割の拡張やクリーチャーの性能が向上したこともあり、緑には優れたマナレシオに加えてアドバンテージ能力を持つ露骨にコスト・パフォーマンスが高いクリーチャーが割り当てられることも増えた(原始のタイタン/Primeval Titan、新緑の機械巨人/Verdurous Gearhulk、不屈の神ロナス/Rhonas the Indomitableなど)。白についても大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite、太陽のタイタン/Sun Titanなどアドバンテージを取れるカードが増えている。
- 逆に強くなりがちなのが青と黒。最もこれも近年のパーマネント性能の向上や色役割の整理拡張により、変化が生じつつある。
ハゲは強い
伝説のプレインズウォーカー — テフェリー(Teferi)
各対戦相手はそれぞれ、自分がソーサリーを唱えられるときにのみ呪文を唱えられる。
[+1]:あなたの次のターンまで、あなたはソーサリー呪文をそれが瞬速を持っているかのように唱えてもよい。
[-3]:アーティファクトかクリーチャーかエンチャント、最大1つを対象とし、それをオーナーの手札に戻す。カードを1枚引く。
クリーチャー — 人間(Human) モンク(Monk)
果敢(あなたがクリーチャーでない呪文を唱えるたび、ターン終了時まで、このクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。)
あなたがクリーチャーでない呪文を唱えるたび、果敢を持つ白の1/1のモンク(Monk)・クリーチャー・トークン1体を生成する。
おそらく最も有名なMTG俗説の1つ。 青白のハゲは強い、とも言われるが、後述するように例外は多い。 説の発端は僧院の導師であろう。しかしこの説を完全に定着させたのは、やはりストーリーの主要キャラクターの一人であり、カード化されるたびに環境で存在感を示すテフェリーである。 但し、テフェリー本人は狩りこんでいるだけでハゲてない。ドミナリア版の選択/Optのイラストを見る限り、むしろ髪も髭もフサフサである。
テフェリーが強いカードになりやすい理由としては、「善玉のプレインズウォーカーとしては最強格であるから、弱くしにくい」等のストーリー上の理由が考えられる他、伝統的な青の個性である『時の魔術』使い手であることを表現するために、タップ・アンタップの操作や呪文の使用タイミングの操作、あるいはドロー等、パワフルになりやすい効果を割り当てられる宿命を背負っていることが挙げられる。
尚、僧院の導師らモンクたちも(おそらくは)ハゲではなく、髪を剃っている『禿頭(とくとう)』である。 その他の近年活躍したハゲ(っぽい)カードとしては、漆黒軍の騎士/Knight of the Ebon Legion、徴税人/Tithe Taker、吸収/Absorbのイラストで打ち消している人、向上した精霊信者、ニッサ/Nissa, Ascended Animist等が挙げられる。