狼男
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狼男/Werewolfは、クリーチャー・タイプの1つ。狼や半狼半人に変身する人間。日本語版では狼男と訳されているが、女性のWerewolfも存在する(#訳語参照)。
イニストラードで新たに追加されたクリーチャー・タイプ。イニストラード/Innistradを舞台とした本流のセットにおいて赤と緑の主要種族に選ばれている。また、大いなる人狼/Greater Werewolf、Lesser Werewolf、不実な人狼/Treacherous Werewolfの3枚もイニストラード発売時のオラクル更新で人間・狼から狼男に変更された。フォーゴトン・レルム探訪では久しぶりに両面ではない狼男の群れ率いの人狼/Werewolf Pack Leaderも登場した。
主に赤と緑に存在するが、オラクル変更によって狼男に加えられた前述の3枚は黒である。狼男を中心としたセットであるイニストラード:真夜中の狩りでは全色に拡充され、中でも黒は赤緑に次ぐ三色目と設定された。
イニストラード・ブロックおよびイニストラードを覆う影に登場する狼男はすべて両面カードで、第1面は人間形態、第2面は半狼半人形態となっている。第1面は人間や職業のクリーチャー・タイプを併せ持つが、第2面は狼男以外のクリーチャー・タイプを持たない。いずれも共通の変身条件を持ち、第1面から第2面は「各アップキープの開始時に、直前のターンに呪文が唱えられていなかった場合」、第2面から第1面は「各アップキープの開始時に、直前のターンのいずれかのプレイヤーが2つ以上の呪文を唱えていた場合」となっている。
異界月に登場する狼男も両面カードであるが、爪の群れのウルリッチ/Ulrich of the Krallenhordeを除いて第1面は半獣形態の狼男・ホラー、第2面はエムラクール/Emrakulに歪められた無色のエルドラージ・狼男となっている。マナを支払うことで第1面から第2面に変身するが、第2面から第1面に戻る能力は持たない。
イニストラード:真夜中の狩りで登場している狼男は基本的にイニストラードを覆う影以前と同様の特徴を持つが、キーワード能力の日暮/夜明により昼/夜に反応して変身するようになっている。実質的な変身条件は以前の狼男に似ているが、アクティブ・プレイヤーの唱えた呪文しか参照せず、また夜ならば第2面の状態で戦場に出るようになっている。
部族カードは複数存在し、共に狼を参照する場合が多い。ロード的存在としては吠え群れの頭目/Howlpack Alpha、常なる狼/Immerwolf、群れの声、アーリン/Arlinn, Voice of the Pack、夜群れの伏兵/Nightpack Ambusher、ウルヴェンワルドの王/Lord of the Ulvenwaldが存在し、全体強化エンチャントとして昇る満月/Full Moon's Riseと吠え群れの復活/Howlpack Resurgenceが存在する。またプレインチェイス2012にて、狼男を参照する次元カードであるケッシグ/Kessigが登場した。
狼男に変化するカードとして、月の憤怒、アーリン/Arlinn, the Moon's Furyが存在する。
伝説の狼男は爪の群れのウルリッチ/Ulrich of the Krallenhordeと不吉な首領、トヴォラー/Tovolar, Dire Overlord、およびそれらの第2面が存在する。デザインの段階では高原の荒廃者/Ravager of the Fellsを伝説にする案もあったが両面カード特有の問題等から見送られた。またウルリッチはイニストラードを覆う影での登場が予定されていたが、プレインズウォーカー・カードであるアーリン・コード/Arlinn Kordと枠を争うことになり、最終的には見送られて次の異界月に回された[1]。
- かつて同じ狼男を意味するライカンスロープというクリーチャー・タイプが存在しており、大いなる人狼とLesser Werewolfは最初はこのクリーチャー・タイプを持っていた。ライカンスロープは2007年9月サブタイプ変更で廃止されており、実質的に4年ぶりの復活と言える。
- ライカンスロープをそのまま復活させれば良かったのでは、という意見も存在するが、公式サイトの記事(#参考参照)にて熊人間/Werebearと薄汚いネズミ人間/Dirty Wereratも含めた「獣に変身する人間全般」をライカンスロープと表しており、マジック:ザ・ギャザリングの世界ではライカンスロープと狼男は指すものが違うため新たに狼男のクリーチャー・タイプを新設したものと推測される。
訳語
「Werewolf」は日本語版では「狼男」と訳されているが、無謀な浮浪者/Reckless Waifやクルーインの無法者/Kruin Outlawといった「女性のWerewolf」も存在し、さらに大いなる人狼と不実な人狼のカード名から、「Werewolf」を「人狼」と訳すべきだったのではという意見も存在する。
- Werewolfを「人狼」ではなく「狼男」と訳した理由として、翻訳者の進藤欣也は自身のTwitterで「『人狼』と『人間』の文字の字面がかぶりすぎて認識しづらいため」と述べている[2][3]。なお、言及した時点では女性のWerewolfは公式スポイラーリストで発表されておらず、女性Werewolfの存在を考慮した上の翻訳かは定かではない。
- Werewolfの"were"は古英語で「男性」を意味する[4]ため、それを踏まえると人狼よりも適切であるという意見もある。
- ちなみに、wereが男性を意味することから「女性のWerewolfはどうするんだ」という問題は英語圏にもあるようだ[5]。
- wereに対応する古英語の「女性」は"wife"(現代では「妻」の意味でのみ用いる)。ただ、古英語でも「女性の人狼」をWifewolfとは呼ばない。
- イニストラードを覆う影ブロックでは一部カードで「人狼」という訳語が当てられ始め、イニストラード:真夜中の狩りではカード名、フレイバーテキスト共に「人狼」で統一されるようになった。
ストーリー
獣性の呪いに囚われた人間。月の満ち欠けや感情の爆発によって彼らは獣人の姿に変化する。変化した狼男は理性や人間性を失い、狩りと殺戮を繰り返す怪物となる。詳細は狼男/Werewolfを参照。
脚注
- ↑ Odds & Ends: Shadows over Innistrad, Part 1/こぼれ話:『イニストラードを覆う影』 その1(Making Magic 2016年4月11日 Mark Rosewater著)
- ↑ Twitter(進藤欣也氏のTwitter)
- ↑ Twitter(進藤欣也氏のTwitter)
- ↑ Were(Wikipedia)
- ↑ 狼女とケッシグ男(個人サイト「レイモス信者の日記 埼玉編」、Internet Archive)
参考
- Were the Wild Things Are/野生の血に目覚めよ(Latest Developments 2013年11月12日 Sam Stoddard著)
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