トランプル

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2020年4月23日 (木) 10:13時点におけるSin1024 (トーク | 投稿記録)による版
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トランプル/Trample
種別 常在型能力
登場セット 多数
CR CR:702.19

トランプル/Trampleは、マジック初期から存在するキーワード能力攻撃クリーチャー戦闘ダメージ割り振りを変更する常在型能力である。


Yavimaya Wurm / ヤヴィマヤのワーム (4)(緑)(緑)
クリーチャー — ワーム(Wurm)

トランプル(攻撃しているこのクリーチャーは余剰の戦闘ダメージをそれが攻撃しているプレイヤーかプレインズウォーカーに与えることができる。)

6/4


Rancor / 怨恨 (緑)
エンチャント — オーラ(Aura)

エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは、+2/+0の修整を受けるとともにトランプルを持つ。
怨恨が戦場からいずれかの墓地に置かれたとき、怨恨をオーナーの手札に戻す。


定義

トランプルを持つ攻撃クリーチャーのコントローラーは、まずそれをブロックしたクリーチャーダメージを割り振る。それらのブロック・クリーチャーすべてに致死ダメージが割り振られた場合、攻撃クリーチャーのコントローラーは、余剰ダメージを、ブロック・クリーチャーと防御プレイヤーまたは攻撃しているプレインズウォーカーに選んで割り振る。致死ダメージを割り振られたかどうかのチェック時には、そのクリーチャーが負っているダメージや同時に与えられる他のクリーチャーからのダメージも考慮に入れるが、実際に与えられるダメージの量を変化させ得る能力効果は考慮に入れない。コントローラーはそれらのクリーチャーすべてに致死ダメージを割り振る必要はないが、その場合には防御プレイヤーやプレインズウォーカーにはダメージを割り振ることはできない。

トランプルを持つ攻撃クリーチャーがブロックされ、しかし戦闘ダメージを割り振る段階でブロック・クリーチャーがいなければ、その戦闘ダメージはすべて攻撃した先のプレイヤーやプレインズウォーカーに割り振られる。

トランプルを持つクリーチャーがプレインズウォーカーを攻撃した場合、そのプレインズウォーカーが戦場を離れていたり、その忠誠度以上の戦闘ダメージが割り振れる状態であっても、戦闘ダメージを防御プレイヤーに割り振ることはできない。

解説

攻撃クリーチャーがブロック・クリーチャーを踏み潰し、そのまま貫通して防御プレイヤーやプレインズウォーカーまで突っ込んでいくイメージの能力。

通常はどんなに大型クリーチャーであっても、ブロックさえすればそれを盾に身を守ることができるが、トランプルを持つ攻撃クリーチャーの場合はタフネスの小さいクリーチャーでブロック(チャンプブロック)してもあまり効果がない。定義上では回避能力ではないが、その性質から回避能力の一種として扱われる場合がある。

直感的にある程度ルールは理解しても、細かい運用になると初心者が混乱する能力。しかし実際は通常のブロック・クリーチャーへの割り振りのルールの最後にプレイヤーかプレインズウォーカーが加わっただけのものである。

どのにも存在するが特にが最も得意とするキーワード能力であり、が2番手である。

ルール

  • ブロック・クリーチャーすべてに致死ダメージを割り振ることは義務ではない。攻撃先にダメージを割り振らないのであれば、戦闘ダメージをダメージ割り振り順に基づいて自由に割り振ることができる。
  • 致死ダメージ」はルールで定義された概念であり、それに従う。
    • プロテクション破壊不能などによって「ダメージが軽減される」「ダメージを与えても死亡しない」状況でも、それは考慮しなくてよい。数値上そのクリーチャーのタフネス分のダメージを割り振れば、致死ダメージを割り振ったことになる。特に間違えやすい点であるので、注意すること。
    • ブロック・クリーチャーが既にダメージを受けている場合、それも考慮する。合計して致死ダメージに達する分だけクリーチャーに戦闘ダメージを割り振ればよい。一方、ブロックする側としては、すでにブロック・クリーチャーに与えられたダメージを取り除くことで、本体に通るダメージを減らすこともできることになる。
    • 攻撃クリーチャーが接死を持つ場合、0点でない戦闘ダメージはすべて致死ダメージとして扱う。ブロック・クリーチャーに1点でも戦闘ダメージを割り振れば、残りの戦闘ダメージをどのように割り振ってもよい。
  • トランプルを持つクリーチャーがブロックされ、なおかつそのブロック・クリーチャーが戦場に存在しないならば、すべての戦闘ダメージは防御プレイヤーに割り振られる。
  • プレイヤーに割り振ったダメージを、クリーチャーへのダメージを軽減する効果で減らすことはできない。ダメージが「貫通」するイメージではあるが、ルール上はあくまで割り振りが変わっているというだけである。
  • ダメージを増加させるような置換効果ラースの灼熱洞/Furnace of Rathなど)がある場合、その効果が適応されるのは、通常通りにダメージを割り振った後である点に注意。先に増加させてから割り振るのではない。
    • 例えばラースの灼熱洞がある状況で、パワー4のトランプル・クリーチャーがタフネス5のクリーチャーにブロックされたとき、「倍のパワー8と考えて、クリーチャーに5点、プレイヤーに残り3点」というわけではない。4点をクリーチャーに割り振り、その後それを2倍にする。
    • 同様に、同じ条件でタフネス1のクリーチャーにブロックされたときも、「クリーチャーに1点、プレイヤーに残り7点」ではなく、クリーチャーに1点、プレイヤーに3点を割り振り、その後でそれらを2倍にする。
  • バンドや、複数の攻撃クリーチャーをブロックできるクリーチャーなどによってトランプルを持つクリーチャーと持たないクリーチャーが同じクリーチャーでブロックされた場合、トランプルによる防御プレイヤーへのダメージを多くするように割り振ってよい。
    • たとえば、「2/2・バンドを持つクリーチャー」と「5/5・トランプルを持つクリーチャー」がバンドを組んで攻撃し、「3/3・クリーチャー」にブロックされた場合、攻撃側は以下のどちらを行なっても適正である(普通は前者だろう)。
      1. 「2/2・バンドクリーチャーが与える2ダメージ」と「5/5・トランプルクリーチャーが与える1ダメージ」をクリーチャーに割り振り、4ダメージをプレイヤーに割り振る。
      2. 「5/5・トランプルクリーチャーが与える3ダメージ」をクリーチャーに割り振り、2ダメージをプレイヤーに割り振り、「2/2・バンドクリーチャーが与える2ダメージ」は普通にクリーチャーに割り振る。

その他

  • ウルザズ・サーガでルールが大きく変更された。それ以前のトランプルは、おおざっぱにいうと現状の「まず全ブロッカーに致死ダメージ割り振り」という点がない代わりに、「全ダメージを一度クリーチャーに割り振らなければならない。その後クリーチャーを倒してから余剰分がそのまま本体に再割り振り」という感じだった。そのため複数ブロッカーがいても、最弱タフネスのクリーチャーに全ダメージを割り振って、他のブロッカーを無傷のまま相手本体にダメージをねじ込めた。つまり、多数のブロッカー相手にする分には以前のルールの方が貫通させやすい。逆に、プロテクション持ちなどには弱かった(クリーチャーに割り振った全ダメージが軽減されてしまうので、貫通が発生しない)。
    • ラースの灼熱洞/Furnace of Rathがルール変更の原因の1つ。上記した「余剰分を再割り振り」している点が争点で、「割り振り時にダメージが2倍」となる灼熱洞の効果が2回適用されてしまい、多くの場合、通すよりもブロックした方がダメージが大きくなってしまうという問題が起きていた。
  • 常磐木能力のひとつとしてさまざまなエキスパンションに登場する定番能力ではあるが、ルール上複雑であるため、第6版から第8版までの間は基本セットに採録されなかった。とはいえ、感覚的には分かりやすいものなので問題ないと判断されたのか、第9版でプロテクションとともに復活している。
  • イコリア:巨獣の棲処ではトランプルのルールが拡大される形で余剰ダメージのルールが定義され、同能力を持てない火力呪文もダメージを貫通できるようになった(炎の氾濫/Flame Spill[1]
  • 接死と相互作用するが、トランプルと接死を一緒に持つカードは石塚の放浪者/Cairn Wandererのようなキーワード能力をすべて得られるタイプのカード以外は存在しない[2]
  • 簡易版として、「スーパートランプル」と呼ばれる能力がある。こちらはキーワード能力ではない。
  • Trampleは「踏み荒らす・蹂躙する」という意味。

参考

  1. 『イコリア:巨獣の住処』更新速報(総合ルール更新、オラクル更新)(Daily MTG 2020年4月13日)
  2. 「お電話ありがとうございます」(Making Magic 2016年12月12日 Mark Rosewater著)

引用:総合ルール 20231117.0

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