霊/Geist
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霊/Geistはクリーチャーの種族の一つ。いわゆる「幽霊」であり、イニストラード/Innistradに棲息する。
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解説
イニストラードは死んだ人間の幽霊に満ち溢れた次元/Planeである。イニストラードの人々は彼らの呼称として、他の次元でも使われる霊魂/Spiritなどの他に、「霊/Geist」という言葉を用いる。
霊には様々な形態がある。生者に守護をもたらす先祖の霊もいるが、多くの霊は生前に解決することのできなかった心理的問題を解決しようと躍起になっている、執念深い怪物である。
善意の霊と悪意の霊
イニストラードにおいて、死んだ人間の魂は霊気/Ætherの領域に引き寄せられ、次元の真髄と再び一つになる。しかし強い恨みや苦悩や後悔が霊気の引力に打ち勝つと、その者は祝福されし眠り/The Blessed Sleepを破って現世に現れることができる。アヴァシン/Avacynが創造されるまで、霊とはすべてこのようにして生まれた悪意ある存在であった。
アヴァシンの誕生後は、悪意ある霊と釣り合う数の善意ある霊や中立的な霊が生まれるようになった。これには残された家族の成長を手助けする霊から、生前の何らかの務めを続けようとしていると思われる不可解な霊まで、様々なものが含まれる。この新たな均衡は、アヴァシンが死者の魂を霊気の領域に導くようになったことで生じたものである。彼女の形而上学的な導きにより、死者の魂は、現世に帰るという道を自ら選択することが可能になった。
現世への干渉
霊は物質世界と霊気の世界の間に存在しており、どちらの世界にどの程度属しているのかは様々である。
一部の霊は壁を通り抜け、生者の喉を掻き切ることができる。それ以外の霊は、生者が霊に対して抱く「信心」を利用する――その場に霊がいると完全に信じることが、生者に自分自身の精神力で自分自身に害を及ぼさせることになるのだ。ある霊は、文字通り恐怖を用いて犠牲者に死をもたらす。またある霊は冷気を用いる。荒れ地で道に迷った人間や、沼地の奥深くに入り込みすぎてしまった人間がいたなら、彼らはその者を凍らせる、もしくは低体温症になるほどの体温の低下をもたらす。
他にも、強力な霊には意志や感情の力を用いて、手や武器の周囲に心霊体/Ectoplasmと呼ばれる凝集物を一瞬だけ作り出して攻撃するものがいる。念動力を用いて物体(茨、鎖、釘、ガラスなど)を身に纏い、敵に振るう霊もいる。
除霊
アヴァシンが失踪していた時期でさえ、神聖魔法は無力ではなかった。強い信仰心とマナを組み合わせることによって、聖職者は霊を消滅させることができる。霊の真髄を分散させたり、アヴァシンの代理人として彼らを霊気の領域へ導いたりと、その方法は様々である。
色
白
白マナに連なる霊の多くは無害であり、死んだ家族や友人が義務感や忠義、責任感、愛情から、守護霊となって生者の前に現れたものである(イラスト)。
しかしながら、悪意ある白の霊もまた存在する。彼らは大抵の場合、罪の意識や失敗を悔いる気持ち、正されなかった過ちによって歪んでしまっている。死してなお、敵を探して荒れ地を巡視し続ける兵士の霊もいる。
青
霊の中には、精神の真髄の動く投影であるものがいる。悪意に満ちた思考や強迫的な思考、あるいは記憶の集合が目に見えない霊気を十分に引きつけると、それは自律的な存在となる。彼らは青マナに連なる霊である。
彼らは強迫的な霊であり、叩いたり、模倣したり、並べたり、積み重ねたり、印を付けたりといったことをひたすらに繰り返す。また生者の精神に取り憑き、動作や発言の反復、てんかん、強迫行為、統合失調症、その他の精神的な病をもたらすこともある(イラスト)。
青の霊は水、嵐、霜、霧に――白い吐息にさえも――強く引き寄せられる(イラスト)。
黒
黒マナに連なる霊は生、力、あるいは邪悪な恨みを晴らすことに常に飢えている。これらの霊は食物や物品、場合によっては血を捧げることで鎮めなければならない。もし鎮められなかったなら、彼らは病気や事故、死の原因にもなり得る。
他の色のマナに連なる霊には善意のものや中立のものがいるかもしれないが、黒の霊はほとんどすべてが危険で、悪意あるものである(イラスト)。
赤
赤マナに連なる霊は生前の失敗から来る激しい感情や満たされざる欲望、復讐への渇望と結びついている。彼らは彫像から滴る血、道に土埃を巻き上げるつむじ風、丘や崖や山腹の小規模な土砂崩れといった形で現世に現れる。生者に憑依し、突発的な躁状態や殺意を生じさせるほどの怒りとして現れることもある。
赤の霊の中でも特に復讐に燃える霊は、イニストラードで最も危険な霊の一つである。彼らは時として生ける炎や血の霧として現世に現れ、不運な犠牲者になかなか治らない切り傷やみみず腫れを負わせる(イラスト)。
緑
霊の中には、生前に崇敬していた自然と再び繋がることを望むものがいる。ドルイドや自然魔道士/Nature-mageに呼び起こされた森のエネルギーが、彼らの霊気の身体の周囲に根や茨を絡み合わせて形を作り上げる。彼らは緑マナに連なる霊である(イラスト)。
緑の霊の中には、動植物や土地と結びついてそれに特殊な力を持たせるもの(イラスト)や、それをこの世のものとは思えないような奇怪な姿に突然変異させるものがいる。土地に取り憑いた霊が鎮められなかった場合、それが荒廃、不作、飢饉を引き起こすこともしばしばである。
キャラクター
- トラフト/Traft - 悪魔との戦いを専門とするアヴァシン教会/The Church of Avacynの聖職者。死後も霊となって悪魔と戦い続けている。
ゲームでの特徴
スピリットのクリーチャー・タイプを持つ。すべての色に存在するが、特に白と青に多い。多くが飛行を持つ。
イニストラード・ブロックには、スピリット・クリーチャー・トークンを生み出すカードも多数存在する。
その他
- Geist(発音は「ガイスト」)はドイツ語で「霊魂」や「幽霊」を意味する言葉。英語のghostと同語源。「騒々しい幽霊」などと訳されるポルターガイスト(Poltergeist)の「ガイスト」もこれである。
参考
- A Planeswalker's Guide to Innistrad: Nephalia and the Undead/プレインズウォーカーのためのイニストラード案内 ネファリアとアンデッド(Savor the Flavor 2011年10月19日 Magic Creative Team著)
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