虚空の選別者/Void Winnower
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クリーチャー — エルドラージ(Eldrazi)
あなたの対戦相手はマナ総量が偶数の呪文を唱えられない。(0は偶数である。)
あなたの対戦相手はマナ総量が偶数のクリーチャーではブロックできない。
対戦相手の呪文と、クリーチャーによるブロックに制限をかけるエルドラージ。制限をかけるために参照するのは、点数で見たマナ・コストが偶数かどうか。
点数で見たマナ・コストの「大きさ」を気にすることはあっても「偶数か奇数か」などを気にして構築やプレイングをすることなど滅多にないため、相手のデッキや盤面によってはハマリ状態にしてしまうこともありうる。9マナで11/9というサイズも頼もしいところ。一方で相手の攻撃を封じることはできないため、これが出てきても遅きに失している場合がありうる。これ自身が重いことからそのような場面は大いに考えられるため、コントロールデッキが盤面をコントロールしきった後に反撃の芽を潰しながら出すフィニッシャーといった使い道が考えられる。
- よほど偶数が嫌いなのか、自身の点数で見たマナ・コスト、パワー、タフネス、いずれも奇数で統一されている。
- 点数で見たマナ・コストの偶奇を参照するカードは、アシュリングの特権/Ashling's Prerogative以来2枚目となる。
ルール
- マナ・コストを持たない呪文やクリーチャーの点数で見たマナ・コストは0である。そして注釈文にもある通り0は偶数であるため、虚空の選別者の能力の影響を受ける。
- マナ・コストにXを含む呪文は、Xとして選んだ値を使用して呪文の点数で見たマナ・コストが偶数かどうかを決める。たとえば、対戦相手は果てしなきもの/Endless Oneを、X=5として唱えることはできるが、X=6として唱えることはできない。一方、マナ・コストにXを含む戦場にあるクリーチャーのXの値は0である。たとえば、マナ・コストが(X)(G)である霧裂きのハイドラ/Mistcutter Hydraではブロックできるが、果てしなきものではブロックできない。
- 分割カードは唱える方の半分の偶奇だけを見る。融合で唱える場合は両方の点数で見たマナ・コストの合計値を見る。
- Little Girlは偶数でも奇数でもない。このため奇数でないにもかかわらず、虚空の選別者による選別をすり抜けられる。
開発秘話
戦乱のゼンディカー・ブロックのデザインの初期には、エルドラージ/Eldraziの異常性を表す様々なメカニズムが検討された[1]。このカードはその中の一つ、「エルドラージは奇数(odd number、直訳すると「奇妙な数」)を好む」の名残である[2]。
一方デベロップの観点からは、エルドラージ覚醒の伝説のエルドラージ(引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Tornなど)が印刷可能なものとしては最強のクリーチャーであり、戦乱のゼンディカーでは単純にそれらよりも強力なエルドラージではなく、異なる方向性で魅力的なエルドラージを作る必要があった。このカードは対戦相手の動きを大きく制限する巨大クリーチャーだが、対抗する余地のあるカードであり、その条件を満たしていると言える[3]。
また開発中はどちらの能力もすべてのプレイヤーに影響するものだったが、点数で見たマナ・コストが偶数(10)の絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hungerと共存できるようにするため、対戦相手だけに影響するよう変更された[3]。
脚注
- ↑ Preparing for Battle, Part 2/戦乱に向けて その2(Daily MTG、Making Magic、文:Mark Rosewater、訳:米村薫)
- ↑ Battle for Zendikards, Part 2/ 戦乱のゼンディカード その2(同上)
- ↑ 3.0 3.1 M-Files, Part One/Mファイル『戦乱のゼンディカー』編・パート1(Daily MTG、Latest Developments、文:Sam Stoddard、訳:益山拓也)