ゼロックス
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ゼロックス(Xerox)とは、Alan Comerによって生み出された理論。ゼロックス理論とも呼ばれる。"xerox"はコピー機メーカー、転じてコピーするという意味でも使われるようになった語。
Comerの主張によると、「土地を引く確率を減らす分、引くこと自体の回数を増やすことで土地事故は減らせる」ということに着目し、土地の枚数を削ると共にドローカードを詰め込み、それによってデッキの安定とともに中盤以降の「無駄なドロー」をなくすことができるというもの。ドロースペルにより擬似的にライブラリーの総枚数を減らし、デッキの一様性を高める(ランダム性を低減する)戦術である。1〜2マナのドローもしくはキャントリップを2枚入れれば土地を1枚減らしてもよい、とされる理論。
しかしながら、単なる1枚ドロー呪文では1枚分のデッキ圧縮にしかならず、マナスクリュー・マナフラッドを防ぐ効果はごくわずかである(フェッチランドの項も参照)。キャントリップを唱えるためにテンポを損する、キープ基準が難しくなるデメリットと、デッキに数合わせで弱いカードを入れずに済む、枚数の限られた強いカードへのアクセスが早くなるメリットとのトレードオフになるが、下記のような特別なシナジーがなければデメリットの方が大きい。
Comerがゼロックス理論を用いて構築したパーミッションデッキが安定して動作した理由は、圧縮効果ではなく先触れ/Portent・衝動/Impulse等の複数枚の中から選択できる類のカードが多数使われていたことによるものと考えられる。ただし、数値的には間違いであることが証明されてもゼロックスという発想の評価は高く、Alan Comerの名と共に今日でも語られ続けている。
元々理論のスタートは手札の質向上によるアドバンテージであったが、軽量ドローを連打する特性上、呪文を唱える回数や墓地の増加に優れるため、スレッショルドやミラクルグロウ、サイクリング系デッキの基盤としても活用された。デッキ圧縮効果の推算には問題があったゼロックス理論だが、キャントリップを唱えることが直接勝ちに繋がるデッキとの相性は良く、土地を切り詰める枚数の目安として用いられた。
- 序盤の猛攻を捌くためにマナを使うと、カードを引けず、対抗手段を使うマナまでたどり着けず、という悪循環に陥ることもある。
- Comerの青単パーミッションはこの欠点を当時最強のテンポカード意志の力/Force of Willで克服していた。
- 数学的には、「2枚入れれば土地を1枚減らせる」というのは60枚中土地30枚の場合に限った話であり、土地24枚の場合は「5枚入れれば土地を2枚減らせる」としないといけない。
主なゼロックスデッキ
参考
- 浅原・小室の匣の中のマジック(マナカーブとゼロックスの解説記事)
- 用語集