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食物(Food)は、食物に関するカードを中心とするデッキの総称。英語読みでフードとも呼ばれる。エルドレインの王権参入後のスタンダード環境とパイオニア環境、モダンホライゾン2参入後のモダン環境、統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い参入後のパウパー環境に存在する。
概要
キーカードは金のガチョウ/Gilded Goose・王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns・意地悪な狼/Wicked Wolfの3枚。金のガチョウやオーコの+2能力で食物・トークンを生成し、オーコの+1能力や-5能力で食物を戦力に変えたり、意地悪な狼の起動コストに充てたりして盤面を制圧する。
エルドレインの王権〜フォーゴトン・レルム探訪期
ローテーション後のスタンダードには、緑単色のビートダウンデッキが存在する。
グルール・アドベンチャーやディミーア・ローグなどのトップメタを見越して、食物トークンの回復や、貪るトロールの王/Feasting Troll Kingのリアニメイトによって長期戦を見据えた構成になっている。
カルドハイム参入後は、砕骨の巨人/Bonecrusher Giantやエンバレスの宝剣/Embercleaveのために赤を加えたグルール・フードが『カルドハイム』チャンピオンシップでメタ外から登場し、茂里憲之をトップ8に送り込んだ。
サンプルリスト
緑単フード
グルール・フード
ラヴニカのギルド〜エルドレインの王権期
デッキのバリエーションは様々だが、特にマナ加速して世界を揺るがす者、ニッサ/Nissa, Who Shakes the Worldを設置し、ハイドロイド混成体/Hydroid Krasisに繋げるというランプ戦略を取るものが多い。前環境のシミック・ランプやバント・ランプが、新たに食物ギミックを取り入れたものと言える。
死者の原野/Field of the Deadが禁止カードにされる前はゴロス・ランプに有効な探索する獣/Questing Beastが採用されることがほとんどだったが、禁止後はミラーマッチが多くなり、意地悪な狼に弱いため採用されなくなっていった。
- 緑青
- 緑青2色のランプ型。シミック・フード (Simic Food) と呼ばれる。
- 主に厚かましい借り手/Brazen Borrowerが採用される。メタゲームに合わせて軽蔑的な一撃/Disdainful Strokeや霊気の疾風/Aether Gustがメインデッキから採用されることもある。
- 緑白青
- 緑白青のランプ型。主にバント・フード (Bant Food) と呼ばれるが、食物シナジーを減らしたタイプをバント・ランプ (Bant Ramp) と呼んで区別することもある。
- 白を足す最大の理由は拘留代理人/Deputy of Detention。特にゴロス・ランプを無理なく対策できることが評価され、メタの一角となった。死者の原野が禁止カードに指定された後は数を減らしたが、一定の結果を残し続けている。
- 黒緑青
- 黒緑青のランプ型。主にスゥルタイ・フード (Sultai Food) と呼ばれるが、プレインズウォーカー・コントロールに寄せたタイプをスゥルタイ・フレンズ (Sultai Friends) と呼んで区別することもある。
- 黒を足す最大の理由は害悪な掌握/Noxious Graspで、メインデッキから採用されることも珍しくない。その他の採用カードはゴルガリの女王、ヴラスカ/Vraska, Golgari Queenや虐殺少女/Massacre Girlなど。
- 死者の原野の禁止後に食物デッキがメタゲームの中心になったことで、ミラーマッチ対策として隆盛した一種のメタデッキである。
- 緑青赤
- 緑青赤のミッドレンジ型。ティムール・フレンズ (Temur Friends) などと呼ばれる。
- 金のガチョウや樹上の草食獣/Arboreal Grazerといった1マナのマナ加速から、オーコや王家の跡継ぎ/The Royal Scionsなどの3マナ域のプレインズウォーカーを高速で展開する。
- 詳細は青赤緑ビートダウンを参照。
- 黒赤緑/青黒赤緑
- 黒赤緑もしくは青黒赤緑のサクリファイス型。
- 大釜の使い魔/Cauldron Familiarを魔女のかまど/Witch's Ovenで何度も生け贄に捧げ、波乱の悪魔/Mayhem Devilの能力を繰り返し誘発させる。
- 詳細はサクリファイスを参照。
ミシックチャンピオンシップロングビーチ19秋ではゴロス・ランプには劣るものの、それでも3割近い使用率となり[1]、Top8の半数を占める活躍を見せた。死者の原野の禁止後は一気にトップメタとなり、グランプリ名古屋19では2日目進出者の過半数が使用[2]、Top8に7人を送り込むという圧倒的な支配を見せた。ミシックチャンピオンシップリッチモンド19では全参加者の63パーセントが食物デッキを持ち込み、トップ8のうち6人が食物デッキで占められ、トップ4を独占するという過去に前例のないレベルの支配率を記録した[3]。当時の環境は食物デッキ以外が戦いの土俵に立てないほどであった[4]。
その支配率ゆえ、王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crownsとむかしむかし/Once Upon a Time、夏の帳/Veil of Summerが禁止カードに指定され、大幅な弱体化を余儀なくされた。
サンプルリスト
緑青
初期型
死者の原野禁止後
緑白青
食物型
ランプ型
黒緑青
ヒストリック
ヒストリック環境では、広義の食物デッキといえるサクリファイスが存在しているほか、Jumpstart: Historic Horizons後は新たに黒緑2色にまとめたものが環境に登場するようになった。
大釜の使い魔/Cauldron Familiarと魔女のかまど/Witch's Ovenにパンくずの道標/Trail of Crumbsを組み合わせリソースを稼ぎ、貪欲なるリス/Ravenous Squirrelがフィニッシャーを務める。
サンプルリスト
- 同じ調整チームだった斉藤徹、熊谷陸も75枚同一のリストでトップ8に入賞している。
パイオニア
パイオニア環境においても成立する。
構成はスタンダード期とほぼ変わらないが、追加のマナ・クリーチャーとしてラノワールのエルフ/Llanowar Elves(とエルフの神秘家/Elvish Mystic)が、忠誠度が高くなりやすい王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crownsと相性の良いキランの真意号/Heart of Kiranなどが追加で採用される。
しかし、2019年12月にオーコが禁止カードに指定され、大幅な弱体化を余儀なくされた。
サンプルリスト
- 備考
- Pioneer PTQ #12028088 on 11/28/2019 ベスト8(参考)
- 使用者:oosunq
- フォーマット
モダン
モダンではモダンホライゾン2にアスモラノマルディカダイスティナカルダカール/Asmoranomardicadaistinaculdacarを主軸とした食物デッキが登場した。
詳細はアスモフードを参照。
パウパー
パウパーでは統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦いでのバジリスク門/Basilisk Gate登場後、門を採用したキャットフード、あるいはフードゲートと呼ばれるタイプの白黒系の食物デッキが登場した。
基本的な動きは他の門デッキと同様であり、大釜の使い魔/Cauldron Familiarのような除去されても戦場に戻ってこれるクリーチャーやジンジャーブルート/Gingerbruteのような回避能力を持つクリーチャーをバジリスク門/Basilisk Gateで強化する。大釜の使い魔の自己リアニメイト能力のために、ジンジャーブルートやレンバス/Lembasなどの食物が採用される。
興隆ランドの門の特性上、様々な色の組み合わせで組まれるが、白黒は確実に含まれる。構成にも幅があり、食物の再利用のためにお互いを回収できる関係にあるレオニンの従者/Leonin Squireと血の泉/Blood Fountainのセットが採用されたり、大釜の使い魔が墓地へ落ちたり戦場に戻ったりしても消えない強化手段としてステッカー・ギミックが採用されたりもした。
サンプルリスト1
- 備考
- Pauper League on 06/28/2023 5-0(参考)
- 使用者: carvs
- フォーマット
サンプルリスト2
- 備考
- Pauper League on 08/30/2024 5-0(参考)
- 使用者: dbagan13
- フォーマット
脚注
- ↑ Mythic Championship V Metagame Breakdown/2019ミシックチャンピオンシップⅤ(MTGアリーナ)メタゲームブレイクダウン(Event Archive 2019年10月14日 Frank Karsten著)
- ↑ グランプリ・名古屋2019 2日目メタゲームブレイクダウン(イベントカバレージ 2019年11月3日 小山 和志著)
- ↑ Mythic Championship VI Day One Metagame Breakdown/2019ミシックチャンピオンシップⅥ(リッチモンド)初日メタゲームブレイクダウン(MAGIC ESPORTS 2019年11月8日 Frank Karsten著)
- ↑ 『マナバーン2021』(ホビージャパン、2020年12月21日初版)p.34 ISBN 9784798623849
参考