アルハマレット/Alhammarret
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− | 他者の思考を無意識に読み取れることに悩んでいたジェイス・ベレレンは、ある日同じ学校に通うカーデン/Cadenの精神を乗っ取り、彼を意識不明に追いやるという事件を起こした。息子が[[カード名百科事典#テレパス|テレパス]]であると初めて知った両親は助力を求め、アルハマレットがそれに応えた。[[ヴリン/Vryn#地理|シルモット交差廊/Silmot's Crossing]]を訪れたアルハマレットは、ジェイスに[[カード名百科事典#テレパシー|テレパシー]] | + | 他者の思考を無意識に読み取れることに悩んでいたジェイス・ベレレンは、ある日同じ学校に通うカーデン/Cadenの精神を乗っ取り、彼を意識不明に追いやるという事件を起こした。息子が[[カード名百科事典#テレパス|テレパス]]であると初めて知った両親は助力を求め、アルハマレットがそれに応えた。[[ヴリン/Vryn#地理|シルモット交差廊/Silmot's Crossing]]を訪れたアルハマレットは、ジェイスに[[カード名百科事典#テレパシー|テレパシー]]で語りかけた。君は是非とも訓練したい類稀な才能の持ち主だが、私の調停者としての義務を疎かにすることもできない。我が弟子となり私のところに来てほしい、と。了承したジェイスを背中に乗せ、彼は住処へと飛び立った。 |
− | + | それからおよそ2年の間、アルハマレットはジェイスの精神魔術を鍛え上げ、幻影術などの他の魔術を教えた。その訓練にはアルハマレットとの精神魔術の勝負も含まれていたが、アルハマレットは彼に思考を欠片も読ませることをさせなかった。ジェイスが相手を傷つけることなく必要な情報だけを盗み取れるようになると、アルハマレットは実地訓練として彼を両軍の宿営地に潜入させ、軍事機密を持ち帰らせた。ジェイスの働きは、アルハマレットが平和を保つのに大いに役立った。 | |
− | + | そんなある日、ジェイスがアルハマレットに精神魔術の勝負を挑んできた。これにより、アルハマレットは彼が知るべきでないことを知ってしまったと悟った。――アルハマレットが戦争を故意に長引かせ、彼らに情報を売って利益を得ていたこと。そのための仲介者としてジェイスを利用したこと。そして、ヴリンの外に無数の世界があり、ジェイスが「[[プレインズウォーカー/Planeswalker]]」と呼ばれる存在であること、そしてアルハマレットがそれらの記憶すべてをジェイスから消していたこと。ゆえに、その挑戦に応えた。 | |
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アルハマレットはジェイスよりも遥かに強力な精神魔道士であったが、ジェイスの頭の中に侵入している今は隙だらけでもあった――ジェイスが自分自身の精神を傷つけることを厭わないのであれば。尊大で臆病なアルハマレットはその可能性に気づかなかった。ジェイスは故郷ヴリンに関するほとんどの記憶を忘れ、そしてアルハマレットはもっと深刻なものを――呼吸の仕方を――忘れた。無意識に[[ラヴニカ/Ravnica]]へとプレインズウォークするジェイスがヴリンで最後に見たものは、倒れ込み、空気を求めて喘ぐスフィンクスの姿であった。 | アルハマレットはジェイスよりも遥かに強力な精神魔道士であったが、ジェイスの頭の中に侵入している今は隙だらけでもあった――ジェイスが自分自身の精神を傷つけることを厭わないのであれば。尊大で臆病なアルハマレットはその可能性に気づかなかった。ジェイスは故郷ヴリンに関するほとんどの記憶を忘れ、そしてアルハマレットはもっと深刻なものを――呼吸の仕方を――忘れた。無意識に[[ラヴニカ/Ravnica]]へとプレインズウォークするジェイスがヴリンで最後に見たものは、倒れ込み、空気を求めて喘ぐスフィンクスの姿であった。 |
2015年10月6日 (火) 22:59時点における版
アルハマレット/AlhammarretはAgents of Artificeおよびマジック・オリジンのキャラクター。カードとしてはマジック・オリジンの高位調停者、アルハマレット/Alhammarret, High Arbiterが初出。
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解説
ヴリン/Vrynに住むスフィンクスの調停者。男性(イラスト)。
敵対関係にある2つの勢力、アンプリン同盟/The Ampryn Leagueとトロヴィア人/The Trovians(分離主義者/Separatist)との間を取り持ち、両者の均衡を保つのが彼の仕事である。アルハマレットは彼らの交渉に直接立ち会うほか、裏で様々な活動を行い、片方の勢力が壊滅的な打撃を受けて均衡が崩れることを防いでいる。
強力な精神魔道士であるアルハマレットは、他者の思考を読み、自分の思考を相手の頭の中に直接伝え、記憶を消去することに長けている。ジェイス・ベレレン/Jace Belerenの若い頃の師でもあるが、ジェイス自身はそのことを覚えていない。
経歴
欠けた心/Absent Minds
他者の思考を無意識に読み取れることに悩んでいたジェイス・ベレレンは、ある日同じ学校に通うカーデン/Cadenの精神を乗っ取り、彼を意識不明に追いやるという事件を起こした。息子がテレパスであると初めて知った両親は助力を求め、アルハマレットがそれに応えた。シルモット交差廊/Silmot's Crossingを訪れたアルハマレットは、ジェイスにテレパシーで語りかけた。君は是非とも訓練したい類稀な才能の持ち主だが、私の調停者としての義務を疎かにすることもできない。我が弟子となり私のところに来てほしい、と。了承したジェイスを背中に乗せ、彼は住処へと飛び立った。
それからおよそ2年の間、アルハマレットはジェイスの精神魔術を鍛え上げ、幻影術などの他の魔術を教えた。その訓練にはアルハマレットとの精神魔術の勝負も含まれていたが、アルハマレットは彼に思考を欠片も読ませることをさせなかった。ジェイスが相手を傷つけることなく必要な情報だけを盗み取れるようになると、アルハマレットは実地訓練として彼を両軍の宿営地に潜入させ、軍事機密を持ち帰らせた。ジェイスの働きは、アルハマレットが平和を保つのに大いに役立った。
そんなある日、ジェイスがアルハマレットに精神魔術の勝負を挑んできた。これにより、アルハマレットは彼が知るべきでないことを知ってしまったと悟った。――アルハマレットが戦争を故意に長引かせ、彼らに情報を売って利益を得ていたこと。そのための仲介者としてジェイスを利用したこと。そして、ヴリンの外に無数の世界があり、ジェイスが「プレインズウォーカー/Planeswalker」と呼ばれる存在であること、そしてアルハマレットがそれらの記憶すべてをジェイスから消していたこと。ゆえに、その挑戦に応えた。
アルハマレットはジェイスよりも遥かに強力な精神魔道士であったが、ジェイスの頭の中に侵入している今は隙だらけでもあった――ジェイスが自分自身の精神を傷つけることを厭わないのであれば。尊大で臆病なアルハマレットはその可能性に気づかなかった。ジェイスは故郷ヴリンに関するほとんどの記憶を忘れ、そしてアルハマレットはもっと深刻なものを――呼吸の仕方を――忘れた。無意識にラヴニカ/Ravnicaへとプレインズウォークするジェイスがヴリンで最後に見たものは、倒れ込み、空気を求めて喘ぐスフィンクスの姿であった。
Agents of Artifice
Agents of Artificeでは設定が大きく異なる。
テレパスであるために故郷の住人に受け入れられず、父親からも遠ざけられていたジェイスは、地元の魔道士アルハマレットに引き取られ彼の弟子となった。彼の下での修練の日々の中、偶発的にジェイスのプレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Sparkが点り、多元宇宙/Multiverseと久遠の闇を見出すこととなるが、アルハマレットはそれを幻影術の失敗によるものだと偽った。
それから一年以上が過ぎたある日、ジェイスは自分の力がどれだけ強くなったのかを試すためにアルハマレットの心を覗いた。自分がプレインズウォーカーであること、それを偽られ隠し続けられていたこと、そして何よりも師が父親にはそれを話していたことを知ってしまい、彼らに裏切られたと感じたジェイスは大きな憤りを覚えた。彼は最終的にアルハマレットの精神の中で怒りと苦しみを解き放ち、精神を完全に破壊されたアルハマレットは呼吸をすることさえも忘れて死に至った。
登場
登場カード
カード名に登場
フレイバー・テキストに登場
- マジック・オリジン
- 意思の激突/Clash of Wills、分離主義者の虚空魔道士/Separatist Voidmage、スフィンクスの後見/Sphinx's Tutelage、アルハマレットの書庫/Alhammarret's Archive
イラストに登場
- マジック・オリジン
- 意思の激突/Clash of Wills、スフィンクスの後見/Sphinx's Tutelage
登場作品・登場記事
- Agents of Artifice(小説)
- Jace's Origin: Absent Minds/ジェイスの「オリジン」:欠けた心(Uncharted Realms 2015年6月24日 Kelly Digges著)
- ストーリーブックレット(マジック・オリジン プレリリース・パック付属、Magic Origins Prerelease Primer/『マジック・オリジン』プレリリース入門で一部閲覧可能)