展望デザイン・チーム

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'''展望デザイン・チーム'''(''Vision Design Team'')は、[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]のカードセットごとに構成される制作チームの1つ。かつての[[デザイン・チーム]]に近い役割を持つ。[[イクサランの相克]]および[[ドミナリア]]から、この体制による開発が行われることとなった。
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'''展望デザイン・チーム'''/''Vision Design Team''は、[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]の[[カード・セット]]ごとに構成される制作チームの1つ。かつての[[デザイン・チーム]]に近い役割を持つ。[[イクサランの相克]]および[[ドミナリア]]から、この体制による開発が行われることとなった。
  
[[開発部]]のメンバー数人から構成される。[[Mark Rosewater]]が'''リード'''/''Vision Lead''と呼ばれるリーダーを務め、その'''次席者'''/''Strong Second''がファイルキーパー(会議や変更の記録、データベースへの入力係)および経験の浅いデザイナーへの指導係を受け持つ。また、[[プレイ・デザイン・チーム]]からの代理と[[クリエイティブ・チーム]]からの代理も参加しており、各チーム間の連繋をとりやすくする。
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==メンバー構成==
  
展望デザインは、まず3ヶ月間の'''先行デザイン'''/''Exploratory Design''期間から始まる。これはミニチーム(先行デザイン・チーム)によって行われ、Mark Rosewaterとは異なる'''先行デザイン・リード'''が率いる。アイデアをブレインストーミングし、カードやデッキを作って対戦しながら、セットの基礎となるテーマやメカニズムを模索する。フレイバーを元にした[[トップダウン・デザイン]]をすることもあれば、メカニズムを元にしたボトムアップ・デザインをすることもある。
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[[開発部]]のメンバー数人から構成される。
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;'''リード'''/''Lead Vision''
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:リーダー。大型セットでは基本的に[[Mark Rosewater]]が務める。
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;'''次席者'''/''Strong Second''
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:リードの代理人として、経験の浅いデザイナーへの指導係およびファイルキーパー(会議や変更の記録、データベースへの入力係)を受け持つ。
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;'''先行デザイン・リード'''/''Lead Exploratory Design''
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:先行デザイン期間のリーダー。Mark Rosewaterの時間的制約を軽減するため、彼とは異なる者が務める。
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;'''プレイ・デザイン代理'''/Play Design Representative
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:[[プレイ・デザイン・チーム]]からの代理人。次の工程との意思の疎通を図り、引き渡しをしやすくする。
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;'''クリエイティブ代理'''/''Creative Representative''
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:[[クリエイティブ・チーム]]からの代理人。次に訪れる世界について話し合ったり、登場人物やストーリーをカードに反映するための助けになる。
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;'''デザイナー'''/''Designer''
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:展望デザインのための参加者。
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==仕事の内容==
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展望デザインは、まず3ヶ月間の'''先行デザイン'''/''Exploratory Design''期間から始まる。これはミニチーム(先行デザイン・チーム)によって行われ、先行デザイン・リードが率いる。アイデアをブレインストーミングし、カードやデッキを作って対戦しながら、セットの基礎となるテーマやメカニズムを模索する。フレイバーを元にした[[トップダウン・デザイン]]をすることもあれば、メカニズムを元にしたボトムアップ・デザインをすることもある。
  
 
その後、4ヶ月間の'''展望デザイン'''/''Vision Design''期間に入る。セットに必要なテーマやメカニズムを作り上げ、[[ブースター・ドラフト]]や[[シールド]]をするための[[コモン]]や[[アンコモン]]全体と、必要なだけの[[レア]]や[[神話レア]]が入っているファイルを[[セット・デザイン・チーム]]に引き渡す。
 
その後、4ヶ月間の'''展望デザイン'''/''Vision Design''期間に入る。セットに必要なテーマやメカニズムを作り上げ、[[ブースター・ドラフト]]や[[シールド]]をするための[[コモン]]や[[アンコモン]]全体と、必要なだけの[[レア]]や[[神話レア]]が入っているファイルを[[セット・デザイン・チーム]]に引き渡す。
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とはいえ、イメージが伝わりやすいカード名はプレイテストの役に立つし、[[紙]]のマジックや[[Magic Online]]などのデジタルで実行不可能な能力を作ってしまわぬよう[[ルール・マネージャー]]に相談しながら展望デザインを進めることも重要である。特殊なカード枠を使用するものなど、アート・チームの協力があってこそ生まれたメカニズムも多い。
 
とはいえ、イメージが伝わりやすいカード名はプレイテストの役に立つし、[[紙]]のマジックや[[Magic Online]]などのデジタルで実行不可能な能力を作ってしまわぬよう[[ルール・マネージャー]]に相談しながら展望デザインを進めることも重要である。特殊なカード枠を使用するものなど、アート・チームの協力があってこそ生まれたメカニズムも多い。
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*Mark Rosewater曰く、家を建てることに喩えるなら、展望デザインは家の設計図を描く「建築士」、セット・デザインは実際に家を建てる「職人」である。職人が床材の種類や窓の数(個々のカードやメカニズム)を変更しても建築士が介入することはないが、職人が大黒柱(セットの根幹となるメカニズム)を取り除こうとするなら、建築士はそれに介入する責任があるとされる<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/historic-story-2018-04-09 A Historic Story]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0030487/ 歴史的な話](Making Magic -マジック開発秘話- [[2018年]]4月9日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。
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==脚注==
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==参考==
 
==参考==
*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/vision-design-set-design-and-play-design-2017-10-23 VISION DESIGN, SET DESIGN, AND PLAY DESIGN]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0019813/ 展望デザイン、セット・デザイン、プレイ・デザイン](Making Magic -マジック開発秘話- [[2017年]]10月23日 [[Mark Rosewater]]著)
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/vision-design-set-design-and-play-design-2017-10-23 Vision Design, Set Design, and Play Design]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0019813/ 展望デザイン、セット・デザイン、プレイ・デザイン](Making Magic -マジック開発秘話- [[2017年]]10月23日 [[Mark Rosewater]]著)
 
*[[開発部]]
 
*[[開発部]]
 
*[[用語集]]
 
*[[用語集]]

2018年4月18日 (水) 16:46時点における最新版

展望デザイン・チーム/Vision Design Teamは、マジックカード・セットごとに構成される制作チームの1つ。かつてのデザイン・チームに近い役割を持つ。イクサランの相克およびドミナリアから、この体制による開発が行われることとなった。

目次

[編集] メンバー構成

開発部のメンバー数人から構成される。

リード/Lead Vision
リーダー。大型セットでは基本的にMark Rosewaterが務める。
次席者/Strong Second
リードの代理人として、経験の浅いデザイナーへの指導係およびファイルキーパー(会議や変更の記録、データベースへの入力係)を受け持つ。
先行デザイン・リード/Lead Exploratory Design
先行デザイン期間のリーダー。Mark Rosewaterの時間的制約を軽減するため、彼とは異なる者が務める。
プレイ・デザイン代理/Play Design Representative
プレイ・デザイン・チームからの代理人。次の工程との意思の疎通を図り、引き渡しをしやすくする。
クリエイティブ代理/Creative Representative
クリエイティブ・チームからの代理人。次に訪れる世界について話し合ったり、登場人物やストーリーをカードに反映するための助けになる。
デザイナー/Designer
展望デザインのための参加者。

[編集] 仕事の内容

展望デザインは、まず3ヶ月間の先行デザイン/Exploratory Design期間から始まる。これはミニチーム(先行デザイン・チーム)によって行われ、先行デザイン・リードが率いる。アイデアをブレインストーミングし、カードやデッキを作って対戦しながら、セットの基礎となるテーマやメカニズムを模索する。フレイバーを元にしたトップダウン・デザインをすることもあれば、メカニズムを元にしたボトムアップ・デザインをすることもある。

その後、4ヶ月間の展望デザイン/Vision Design期間に入る。セットに必要なテーマやメカニズムを作り上げ、ブースター・ドラフトシールドをするためのコモンアンコモン全体と、必要なだけのレア神話レアが入っているファイルをセット・デザイン・チームに引き渡す。

このため、展望デザイン・チームの仕事は楽しいセットのための基礎・原案を作ることであり、カードの「完成品」を作ることではない。適正なコストP/Tといった数値をつけるのは、最終的にはプレイ・デザイン・チームの仕事である。また、クリエイティブ・チームなど数多くの人々が協力してカードを製品として完成させてくれるため、カード名を決定したりフレイバー・テキストを書いたり、ルール文章を正しいテンプレートで書くことも展望デザイン・チームの本分ではない。

とはいえ、イメージが伝わりやすいカード名はプレイテストの役に立つし、のマジックやMagic Onlineなどのデジタルで実行不可能な能力を作ってしまわぬようルール・マネージャーに相談しながら展望デザインを進めることも重要である。特殊なカード枠を使用するものなど、アート・チームの協力があってこそ生まれたメカニズムも多い。

  • Mark Rosewater曰く、家を建てることに喩えるなら、展望デザインは家の設計図を描く「建築士」、セット・デザインは実際に家を建てる「職人」である。職人が床材の種類や窓の数(個々のカードやメカニズム)を変更しても建築士が介入することはないが、職人が大黒柱(セットの根幹となるメカニズム)を取り除こうとするなら、建築士はそれに介入する責任があるとされる[1]

[編集] 脚注

  1. A Historic Story/歴史的な話(Making Magic -マジック開発秘話- 2018年4月9日 Mark Rosewater著)

[編集] 参考

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