サリア/Thalia
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− | '''サリア'''/''Thalia''は[[イニストラード・ブロック]] | + | '''サリア'''/''Thalia''は[[イニストラード・ブロック]]初出のキャラクター。[[カード]]としては[[闇の隆盛]]の[[スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben]]が初出。 |
==解説== | ==解説== | ||
− | [[イニストラード/Innistrad]]に住む[[アヴァシン教会/The Church of Avacyn]]の[[聖戦士/Cathar]]。[[人間]]の女性([ | + | [[イニストラード/Innistrad]]に住む[[アヴァシン教会/The Church of Avacyn]]の[[聖戦士/Cathar]]。[[人間/Human#イニストラード|人間/Human]]の女性([https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/wallpaper-week-thalia-guardian-thraben-2012-02-17 イラスト])。 |
卓越した剣技と知略、そして勇気と慈愛の心を持ち、若くして[[アヴァシン教会/The Church of Avacyn#月皇/Lunarch|月皇/Lunarch]]に仕える精鋭防衛部隊の隊長、通称「'''スレイベンの守護者'''/''The Guardian of Thraben''」となった。 | 卓越した剣技と知略、そして勇気と慈愛の心を持ち、若くして[[アヴァシン教会/The Church of Avacyn#月皇/Lunarch|月皇/Lunarch]]に仕える精鋭防衛部隊の隊長、通称「'''スレイベンの守護者'''/''The Guardian of Thraben''」となった。 | ||
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==経歴== | ==経歴== | ||
===サリアの急速な台頭/Thalia's Rapid Rise=== | ===サリアの急速な台頭/Thalia's Rapid Rise=== | ||
− | サリアは[[ガヴォニー/Gavony]]で最も将来有望な聖戦士の一人だった。[[ネファリア/Nephalia#|エルゴード訓練場/The Elgaud Grounds]]の学院を卒業してすぐに、彼女は自分の価値を証明した――[[聖戦士/Cathar#審問官/Inquisitor|審問官/Inquisitor]]としての、[[兵士]]としての、[[吸血鬼 | + | サリアは[[ガヴォニー/Gavony]]で最も将来有望な聖戦士の一人だった。[[ネファリア/Nephalia#|エルゴード訓練場/The Elgaud Grounds]]の学院を卒業してすぐに、彼女は自分の価値を証明した――[[聖戦士/Cathar#審問官/Inquisitor|審問官/Inquisitor]]としての、[[兵士]]としての、[[吸血鬼/Vampire#イニストラード|吸血鬼/Vampire]]殺しとしての価値を。彼女は優れた剣士であり、聖戦士となって数ヶ月のうちにいくつもの血統の古き吸血鬼に勝利し、その狡知に長ける戦いぶりで知られるようになった。しかしながら真に彼女を特別たらしめ、スレイベンの精鋭兵への仲間入りをさせたのは、その強情なまでに他者を思いやる心だった。 |
− | 聖戦士となってから2年目に、サリアは「スレイベンの守護者」である[[イニストラードのその他のキャラクター#ロサー/Lothar|ロサー/Lothar]]の目に留まった。彼女は一人の老人を救うため、[[狼男 | + | 聖戦士となってから2年目に、サリアは「スレイベンの守護者」である[[イニストラードのその他のキャラクター#ロサー/Lothar|ロサー/Lothar]]の目に留まった。彼女は一人の老人を救うため、[[狼男/Werewolf#吠え群れ/Howlpack|爪の群れ/The Krallenhorde]]の[[狼男/Werewolf]]全員に単身立ち向かい、剣を振るっていたのだ。その無私の勇気に感銘を受けたロサーは、その日のうちに彼女を自分の部隊に迎え入れた。すぐに彼女はロサーの副官に昇進し、彼を補佐してスレイベンを防衛する役目を任されるようになった。 |
ロサーの右腕として、サリアは[[スレイベン/Thraben#アヴァシン大聖堂|アヴァシン大聖堂/The Cathedral of Avacyn]]に聳え立つ巨大な銀のオベリスク、[[獄庫/Helvault#ストーリー|獄庫/The Helvault]]について学んだ。サリアはそれがどんな犠牲を払っても守らねばならない聖なる秘宝であると教わり、ロサーと同じ誓いを、たとえ死の苦痛にあろうとも決して獄庫に危害を加えさせないという誓いを交わした――その内に、行方知れずとなっていた[[アヴァシン/Avacyn]]が囚われていることを知らぬまま。 | ロサーの右腕として、サリアは[[スレイベン/Thraben#アヴァシン大聖堂|アヴァシン大聖堂/The Cathedral of Avacyn]]に聳え立つ巨大な銀のオベリスク、[[獄庫/Helvault#ストーリー|獄庫/The Helvault]]について学んだ。サリアはそれがどんな犠牲を払っても守らねばならない聖なる秘宝であると教わり、ロサーと同じ誓いを、たとえ死の苦痛にあろうとも決して獄庫に危害を加えさせないという誓いを交わした――その内に、行方知れずとなっていた[[アヴァシン/Avacyn]]が囚われていることを知らぬまま。 | ||
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===天使は蘇り、悪魔は解き放たれる/Angel's Rise and Demon's Release=== | ===天使は蘇り、悪魔は解き放たれる/Angel's Rise and Demon's Release=== | ||
− | [[デーモン# | + | [[デーモン/Demon#イニストラード|悪魔]][[グリセルブランド/Griselbrand (ストーリー)|グリセルブランド/Griselbrand]]を探していた[[リリアナ・ヴェス/Liliana Vess (ストーリー)|リリアナ・ヴェス/Liliana Vess]]は、ミケウスの死体を蘇らせ、彼が獄庫の中にいることを突き止めた。[[黒]]の魔術師であるリリアナには堅固な銀の牢獄を直接破壊する術はなかったが、彼女には考えがあった。 |
リリアナはグールの軍勢を率いて大聖堂に侵攻し、獄庫の置かれた庭園へと乗り込んだ。サリアは誓いを守るべく、精鋭部隊を率いてその前に立ち塞がった。だがそれこそまさにリリアナの求めていたものだった。リリアナが暗黒魔法の波を放つと、動けなくなった聖戦士たちは無抵抗にグールに貪られるままとなった。そしてリリアナはサリアに最後通牒を突きつけた――獄庫とお前の仲間たち、どちらか滅ぼされる方を選べと。それはただの脅しではなく、相手に選択を強いる[[呪文]]だった。 | リリアナはグールの軍勢を率いて大聖堂に侵攻し、獄庫の置かれた庭園へと乗り込んだ。サリアは誓いを守るべく、精鋭部隊を率いてその前に立ち塞がった。だがそれこそまさにリリアナの求めていたものだった。リリアナが暗黒魔法の波を放つと、動けなくなった聖戦士たちは無抵抗にグールに貪られるままとなった。そしてリリアナはサリアに最後通牒を突きつけた――獄庫とお前の仲間たち、どちらか滅ぼされる方を選べと。それはただの脅しではなく、相手に選択を強いる[[呪文]]だった。 | ||
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サリアの心は宣誓と人命の間で揺れたが、結局のところ彼女を動かすには、一人の聖戦士のくぐもった悲鳴で十分だった。獄庫の役割が何であれ、それは今人間たちを救ってはいない。ならば宣誓など何の意味もない――サリアは項垂れ、獄庫を指差した。リリアナの呪文は完成した。 | サリアの心は宣誓と人命の間で揺れたが、結局のところ彼女を動かすには、一人の聖戦士のくぐもった悲鳴で十分だった。獄庫の役割が何であれ、それは今人間たちを救ってはいない。ならば宣誓など何の意味もない――サリアは項垂れ、獄庫を指差した。リリアナの呪文は完成した。 | ||
− | あらゆる音がやんだかと思うと、次の瞬間獄庫に亀裂が走り、砕け散った。その中から現れたのは無数の悪魔たち、そして行方知れずの[[天使# | + | あらゆる音がやんだかと思うと、次の瞬間獄庫に亀裂が走り、砕け散った。その中から現れたのは無数の悪魔たち、そして行方知れずの[[天使/Angel#イニストラード|大天使]]、アヴァシンだった。 |
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+ | アヴァシンが狂気に陥り、アヴァシン教会が審問の名のもとに民を処刑し始めたとき、サリアはアヴァシンに仕えるのではなく、アヴァシンが体現した理想に仕えることを決意する。彼女は聖[[トラフト/Traft]]の加護を受け、教会に疑問を持つ異端聖騎士/Heretic Cathar達を密かに集め始めた。そして[[アヴァシン教会/The Church of Avacyn#月皇評議会/The Lunarch Council|月皇評議会/The Lunarch Council]]と[[スカースダグ/The Skirsdag]]との関係を告発するも、既に評議会は繋がりどころではなく完全にスカーズダグに乗っ取られており、処刑台に送られてしまう。[[オドリック/Odric]]と[[イニストラードのその他のキャラクター#グレーテ/Grete|グレーテ/Grete]]によって救い出されたサリアは[[アヴァシン教会/The Church of Avacyn#聖トラフト騎士団/The Order of Saint Traft|聖トラフト騎士団/The Order of Saint Traft]]を結成し、堕落した教会に立ち向かうべくスレイベンへと軍を進めた。 | ||
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− | *[http://web.archive.org/web/20120413133306/http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/avacynrestored/world1 The World of Avacyn Restored: The Hunt for Griselbrand]/[ | + | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/savor-flavor/guardian-witch-and-angel-2012-03-21 The Guardian, the Witch, and the Angel]/[https://mtg-jp.com/reading/stf/0004359/ 守護者、魔女、そして天使](Savor the Flavor 2012年3月21日 [[Doug Beyer]]著) |
− | *[ | + | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/angels-rise-and-demons-release-2012-04-09-0 Angel's Rise and Demon's Release]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/0004012/ 天使は蘇り、悪魔は解き放たれる](Feature Article 2012年4月9日 Doug Beyer著) |
− | *[ | + | *[http://web.archive.org/web/20120413133306/http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/avacynrestored/world1 The World of Avacyn Restored: The Hunt for Griselbrand]/[https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/feature/%E3%82%A2%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%B8%B0%E9%82%84%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C-2012-04-11 アヴァシンの帰還の世界:グリセルブランドを追って](アヴァシンの帰還ミニサイト 2012年4月11日) |
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+ | ;[[イニストラードを覆う影ブロック]] | ||
+ | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/magic-story/lunarch-inquisition-2016-05-04 The Lunarch Inquisition]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/SOI/0016863/ 月皇審問](Magic Story [[2016年]]5月4日 [[James Wyatt]]著) | ||
+ | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/magic-story/saint-traft-and-flight-nightmares-2016-07-13 Saint Traft and the Flight of Nightmares]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/EMN/0017137/ 聖トラフトと空駆る悪夢](Magic Story 2016年7月13日 James Wyatt著) | ||
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+ | ;[[イニストラード:真夜中の狩り]] | ||
+ | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/magic-story/episode-3-fall-house-betzold-2021-09-15 Episode 3: The Fall of the House of Betzold]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/MID/0035426/ メインストーリー第3話:ベツォルド家の凋落](Magic Story [[2021年]]9月15日 [[K. Arsenault Rivera]]著、名前のみ) | ||
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+ | ;[[イニストラード:真紅の契り]] | ||
+ | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/magic-story/blessing-blood-2021-11-05 The Blessing of Blood]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/VOW/0035566/ サイドストーリー第2話:血の祝福](Magic Story 2021年11月5日 [[Marcus Terrell Smith]]著) | ||
+ | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/legends-innistrad-crimson-vow-2021-11-12 The Legends of Innistrad: Crimson Vow]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/0035624/ 『イニストラード:真紅の契り』の伝説たち]([[Daily MTG]] 2021年11月10日) | ||
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+ | ;[[機械兵団の進軍]] | ||
+ | *[https://magic.wizards.com/en/news/feature/the-legendary-team-ups-of-march-of-the-machine The Legendary Team-Ups of March of the Machine]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/0036859/ 『機械兵団の進軍』の伝説のチームたち]([[Daily MTG]] - Feature [[2023年]]4月13日 [[Emily Teng]]著) | ||
==その他== | ==その他== |
2023年4月22日 (土) 09:49時点における最新版
サリア/Thaliaはイニストラード・ブロック初出のキャラクター。カードとしては闇の隆盛のスレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thrabenが初出。
目次 |
[編集] 解説
イニストラード/Innistradに住むアヴァシン教会/The Church of Avacynの聖戦士/Cathar。人間/Humanの女性(イラスト)。
卓越した剣技と知略、そして勇気と慈愛の心を持ち、若くして月皇/Lunarchに仕える精鋭防衛部隊の隊長、通称「スレイベンの守護者/The Guardian of Thraben」となった。
[編集] 経歴
[編集] サリアの急速な台頭/Thalia's Rapid Rise
サリアはガヴォニー/Gavonyで最も将来有望な聖戦士の一人だった。エルゴード訓練場/The Elgaud Groundsの学院を卒業してすぐに、彼女は自分の価値を証明した――審問官/Inquisitorとしての、兵士としての、吸血鬼/Vampire殺しとしての価値を。彼女は優れた剣士であり、聖戦士となって数ヶ月のうちにいくつもの血統の古き吸血鬼に勝利し、その狡知に長ける戦いぶりで知られるようになった。しかしながら真に彼女を特別たらしめ、スレイベンの精鋭兵への仲間入りをさせたのは、その強情なまでに他者を思いやる心だった。
聖戦士となってから2年目に、サリアは「スレイベンの守護者」であるロサー/Lotharの目に留まった。彼女は一人の老人を救うため、爪の群れ/The Krallenhordeの狼男/Werewolf全員に単身立ち向かい、剣を振るっていたのだ。その無私の勇気に感銘を受けたロサーは、その日のうちに彼女を自分の部隊に迎え入れた。すぐに彼女はロサーの副官に昇進し、彼を補佐してスレイベンを防衛する役目を任されるようになった。
ロサーの右腕として、サリアはアヴァシン大聖堂/The Cathedral of Avacynに聳え立つ巨大な銀のオベリスク、獄庫/The Helvaultについて学んだ。サリアはそれがどんな犠牲を払っても守らねばならない聖なる秘宝であると教わり、ロサーと同じ誓いを、たとえ死の苦痛にあろうとも決して獄庫に危害を加えさせないという誓いを交わした――その内に、行方知れずとなっていたアヴァシン/Avacynが囚われていることを知らぬまま。
[編集] スレイベン包囲戦/The Siege of Thraben
ギサ/Gisaとゲラルフ/Geralfが手を組み、グール/Ghoulとスカーブ/Skaabのアンデッド連合軍をスレイベンに送り込んだ。ロサーの姿はどこにも見当たらず、サリアはやむなく自らの判断で作戦を実行に移すことにした。命令を受けたトラケン/Trakenは、彼女は恐怖で正気を失ったのではないかと考えた――「スレイベン中の屋根から葺き藁を集めろ」?
準備が整うと、サリアは正門からトラケンの部隊を撤退させた。正門は一瞬で陥落し、アンデッドの大軍がスレイベンの最外環部に雪崩れ込んできた。皆が怯んだそのとき、サリアは一本のマッチを擦った。その小さな炎はスレイベン中から集めた大量の藁に燃え移り、都市の最外環部を瞬く間に火の海へと変えた。体液の主成分が灯油であるスカーブは極めて可燃性が高く、アンデッドの軍勢はたちまち炎に飲まれた。作戦は成功した。
サリアはスレイベンを救ったが、敬愛する上官を救うことはできなかった。ロサーは戦闘のさなか、謎の邪悪な声に苛まれ、城壁から身を投げて絶命していたのだ。月皇ミケウス・セカーニ/Mikaeus Cecaniはサリアを新たな「スレイベンの守護者」に任命したが、彼自身もその直後にゲラルフによって暗殺された。
[編集] 天使は蘇り、悪魔は解き放たれる/Angel's Rise and Demon's Release
悪魔グリセルブランド/Griselbrandを探していたリリアナ・ヴェス/Liliana Vessは、ミケウスの死体を蘇らせ、彼が獄庫の中にいることを突き止めた。黒の魔術師であるリリアナには堅固な銀の牢獄を直接破壊する術はなかったが、彼女には考えがあった。
リリアナはグールの軍勢を率いて大聖堂に侵攻し、獄庫の置かれた庭園へと乗り込んだ。サリアは誓いを守るべく、精鋭部隊を率いてその前に立ち塞がった。だがそれこそまさにリリアナの求めていたものだった。リリアナが暗黒魔法の波を放つと、動けなくなった聖戦士たちは無抵抗にグールに貪られるままとなった。そしてリリアナはサリアに最後通牒を突きつけた――獄庫とお前の仲間たち、どちらか滅ぼされる方を選べと。それはただの脅しではなく、相手に選択を強いる呪文だった。
サリアの心は宣誓と人命の間で揺れたが、結局のところ彼女を動かすには、一人の聖戦士のくぐもった悲鳴で十分だった。獄庫の役割が何であれ、それは今人間たちを救ってはいない。ならば宣誓など何の意味もない――サリアは項垂れ、獄庫を指差した。リリアナの呪文は完成した。
あらゆる音がやんだかと思うと、次の瞬間獄庫に亀裂が走り、砕け散った。その中から現れたのは無数の悪魔たち、そして行方知れずの大天使、アヴァシンだった。
[編集] イニストラードを覆う影ブロック
アヴァシンが狂気に陥り、アヴァシン教会が審問の名のもとに民を処刑し始めたとき、サリアはアヴァシンに仕えるのではなく、アヴァシンが体現した理想に仕えることを決意する。彼女は聖トラフト/Traftの加護を受け、教会に疑問を持つ異端聖騎士/Heretic Cathar達を密かに集め始めた。そして月皇評議会/The Lunarch Councilとスカースダグ/The Skirsdagとの関係を告発するも、既に評議会は繋がりどころではなく完全にスカーズダグに乗っ取られており、処刑台に送られてしまう。オドリック/Odricとグレーテ/Greteによって救い出されたサリアは聖トラフト騎士団/The Order of Saint Traftを結成し、堕落した教会に立ち向かうべくスレイベンへと軍を進めた。
だがスレイベンに待ち受ける脅威はスカースダグやデーモン/Demonでは無かった。エムラクール/Emrakulによって歪みねじれた者たちとの遭遇戦のなか、アヴァシン消滅の報とその証拠である月銀の槍/Moonsilver Spearをレム・カロラス/Rem Karolusから受け取ったサリアはアヴァシンではなくその理想を礎に戦うことを改めて宣言し騎士団を鼓舞する。吸血鬼/Vampire達との危険な共闘を取り付け、エムラクールの狂気に立ち向かうために聖戦士たちに霊/Geistを憑依させてついにスレイベンへと突入するが、そこに狂気に陥った大天使たちの成れの果ての姿のブリセラ/Briselaが表れる。唯一人間側に残った大天使シガルダ/Sigardaや聖トラフトの力を狩り、天使の加護を受け月銀の槍を手にしたサリアはブリセラを討ち果たすことに成功する。
[編集] 登場
[編集] 登場カード
- スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben
- 異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar
- サリアとギトラグの怪物/Thalia and The Gitrog Monster
[編集] カード名に登場
- イニストラードを覆う影
- サリアの副官/Thalia's Lieutenant
- 異界月
- サリアの槍騎兵/Thalia's Lancers
- 統率者2019
- サリアの霊呼び/Thalia's Geistcaller
[編集] フレイバー・テキストに登場
- イニストラード
- 叱責/Rebuke、邪悪の排除/Spare from Evil、冒涜の行動/Blasphemous Act
- 闇の隆盛
- 罪の重責/Burden of Guilt、忠実な聖戦士/Loyal Cathar、スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben、月の帳のドラゴン/Moonveil Dragon、食百足/Vorapede、進化する未開地/Evolving Wilds
- アヴァシンの帰還
- グリセルブランド/Griselbrand
- 基本セット2015
- 堕ちたる者の饗宴/Feast on the Fallen
- イニストラードを覆う影
- 腕っぷし/Strength of Arms、執念/Tenacity、未知との対決/Confront the Unknown
- 異界月
- 異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar、スレイベンの軍旗手/Thraben Standard Bearer、ファルケンラスの肉裂き/Falkenrath Reaver、聖戦士の盾/Cathar's Shield
- イニストラード:真紅の契り
- 貫く光/Piercing Light、放光の縛り/Radiant Restraints、聖別/Sanctify
[編集] イラストに登場
[編集] 登場作品・登場記事
- INNISTRAD - PLANES/イニストラード - 次元(公式サイト)
- Preview Article: Mikaeus, the Unhallowed/プレビュー記事:《不浄なる者、ミケウス》(Feature Article 2012年1月16日 Jenna Helland著)
- The Guardian, the Witch, and the Angel/守護者、魔女、そして天使(Savor the Flavor 2012年3月21日 Doug Beyer著)
- Angel's Rise and Demon's Release/天使は蘇り、悪魔は解き放たれる(Feature Article 2012年4月9日 Doug Beyer著)
- The World of Avacyn Restored: The Hunt for Griselbrand/アヴァシンの帰還の世界:グリセルブランドを追って(アヴァシンの帰還ミニサイト 2012年4月11日)
- The Lunarch Inquisition/月皇審問(Magic Story 2016年5月4日 James Wyatt著)
- Saint Traft and the Flight of Nightmares/聖トラフトと空駆る悪夢(Magic Story 2016年7月13日 James Wyatt著)
- Episode 3: The Fall of the House of Betzold/メインストーリー第3話:ベツォルド家の凋落(Magic Story 2021年9月15日 K. Arsenault Rivera著、名前のみ)
- The Blessing of Blood/サイドストーリー第2話:血の祝福(Magic Story 2021年11月5日 Marcus Terrell Smith著)
- The Legends of Innistrad: Crimson Vow/『イニストラード:真紅の契り』の伝説たち(Daily MTG 2021年11月10日)
- The Legendary Team-Ups of March of the Machine/『機械兵団の進軍』の伝説のチームたち(Daily MTG - Feature 2023年4月13日 Emily Teng著)
[編集] その他
- Thaliaはギリシア神話の女神、タレイアの英語表記で、現在でも人名として使われる言葉。古代ギリシア語で「開花」「花盛り」を意味するθάλλεωに由来する。